【随時更新】イスラエル “ラファで地上作戦”を強調
2024年 02月 12日
イスラエルのネタニヤフ首相はガザ地区の南端にあるラファでの地上作戦を行う姿勢を強調しているのに対して、イスラム組織ハマスは「ラファへの攻撃は人質交渉の崩壊を意味する」とけん制しました。
※イスラエルやパレスチナに関する日本時間2月12日の動きを、随時更新してお伝えします。
イスラエル軍は、ハマスの重要拠点があるとして、ガザ地区の南端にあるラファへの集中的な攻撃の必要性を訴えていて、ネタニヤフ首相も軍に計画の策定を命じています。
こうした中、ネタニヤフ首相は、アメリカのABCテレビのインタビューに応じ、11日、その内容がウェブサイトに掲載されました。
この中でネタニヤフ首相は「ハマスの最後のとりでのラファへの攻撃を行う。そうすべきではないという主張は、イスラエルに戦争に負けろと言っているのに等しい」と述べ、ラファへの攻撃を改めて正当化しました。
そのうえで「民間人が退避できるよう安全な避難路を提供する」として、市民の犠牲を減らすための措置をとると主張しました。
一方、地元メディアは、ハマス幹部の話として「ネタニヤフは人質交渉を避けるため、ラファで虐殺と人道危機を広げようとしている。ラファへの攻撃は人質交渉の崩壊を意味する」と伝えていて、ラファへの攻撃が強まれば一切の交渉の余地はなくなるとけん制しています。
またハマスは11日、SNSに「過去96時間のイスラエル軍の攻撃により、人質2人が死亡し8人が重傷を負った」と投稿し、人質にも犠牲が出ているとしています。
ガザ地区の保健当局によりますと、これまでに2万8176人が死亡していて、100万人以上が避難するラファへの攻撃が強まれば市民の犠牲がさらに増えることが懸念されています。
バイデン大統領「ラファへ避難の市民の安全や支援を」
イスラエル軍がガザ地区のラファへの攻撃を強める姿勢を見せる中、アメリカのホワイトハウスは、バイデン大統領が11日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談したと発表しました。
発表によりますと、バイデン大統領は「ラファに避難している100万人以上の市民の安全や支援を保証する実行可能な計画がないかぎり、ラファへの軍事作戦は行われるべきではないという考えを改めて強調した」として、ネタニヤフ首相に対して改めて慎重な対応を求めたと強調するとともに、引き続き緊密に連絡を取っていくことでも一致したとしています。
仏外務省が声明「ラファ攻撃は壊滅的な人道状況もたらす」
イスラエル軍がガザ地区のラファへの攻撃を強めていることを受け、フランス外務省は11日、声明を発表し、「ラファには130万人以上が避難しており、人道支援の重要な通り道だ。ラファへの大規模な攻撃は、新たな次元の壊滅的な人道状況をもたらす」として、攻撃への懸念を示すとともに、戦闘の停止を求めました。
また「イスラエル軍はガザの市民の命を守るため、具体的な措置を講じる必要がある」ともしていて、イスラエル側が住民を保護する具体的な措置をとるよう強く求めています。
エジプト外務省が声明「軍事作戦は悲惨な結果もたらす」
イスラエル軍がガザ地区の南端にあるラファでの地上作戦を行う姿勢を強調しているのに対して、ラファと境界を接し、イスラエルとハマスの交渉では仲介役も果たしているエジプトの外務省報道官は11日、声明を発表し、「軍事作戦は悲惨な結果をもたらす」として、イスラエルに対してラファへの軍事作戦に踏み切らないよう警告しました。
その上で、「現在およそ140万人のパレスチナ人が身を寄せる地域が攻撃を受けないよう、国際社会の努力が不可欠だ」として、攻撃の回避に向けて各国に対してイスラエルへの圧力を強化するよう呼びかけました。