開館時間延長も混雑緩和難しい?/広島原爆資料館、職員負担増に戸惑いも
2024年 02月 21日
開館時間延長も混雑緩和難しい?広島原爆資料館、職員負担増に戸惑いも
昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)以降、広島市の原爆資料館を訪れる人が増え、来館者の混雑緩和が喫緊の課題となっている。市は開館時間を朝夕で各1時間延長するといった対策を打ち出したが、現場職員からは「延長は緩和につながりにくい」との声も。多くの人に被爆の実相を知ってほしいと思う半面、延長による負担の増加から戸惑いも広がる。
昨年11月の土曜日、資料館前には「展示室入場まで約60分」との案内が掲示された。来館者からは「子どもと待つには長すぎる」「新幹線に間に合わない」と不満の声が聞かれた。
新型コロナウイルス禍での水際対策の緩和や、5月のサミットで各国首脳らが資料館を視察したことにより、来館者が増加。8月は入館に最大2時間待ちの長蛇の列ができた日も。2023年度の原爆資料館の入館者数は既に170万人超で、過去最多の更新が確実視される。
市の対策は、現状は午前8時半に開館し、時期に応じて午後5~7時までとなっている開館時間を、3月から開館を1時間早め、閉館を1時間遅くする。また90日先まで事前購入できるチケットのオンライン販売や、券売機の導入を進める。24年度の予算案に関連経費約8千万円を計上した。
市の担当者は、閉館時間を1時間遅くした昨年11、12月は、延長時間帯に1日あたり平均149人が入館したとして「遅い時間にも来客はある」と強調。3月からの延長は「あくまで試行で、結果を適切な混雑対策につなげたい」と話す。
一方、現場の職員には冷ややかな見方もある。広島自治労連は市の方針が報道された昨年12月、資料館の職員らに緊急アンケートを実施。回答者は29人で、自由記述では「お客さまが来たい時間は午前10時~午後4時ごろ」と延長効果を疑問視する記載も。「子どもが小学生で勤務が難しい」と、労働環境面の不安を記す職員もいた。
オンラインでのチケット販売は「旅行者が予定を立てやすくなる」など好意的な意見の一方、「販売はスムーズになっても展示場は混雑する」との見方もあった。
ある職員は、開館時間の延長について市から事前に相談や説明はなかったと明かした。「来館者がしっかり見学できる環境で、被爆の実相を知り持ち帰ってもらいたい。市はより効果的な対策となるよう、現場の声を聞いてほしい」と話した。
原爆資料館 爆心地に近い広島市中区の平和記念公園内にあり、正式名称は広島平和記念資料館。世界的建築家の故丹下健三氏が設計し、被爆10年後の1955年に開館した。昨年5月のG7広島サミットでは、バイデン米大統領や、ウクライナのゼレンスキー大統領らが視察。壊滅した市街地の写真や犠牲者の遺品などで惨状を伝える本館と、核兵器の危険性や広島の歴史を説明し、被爆者の証言ビデオを視聴できる東館で構成。収蔵品は約10万点。もう一つの被爆地、長崎市にも原爆資料館がある。
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