人気ブログランキング | 話題のタグを見る

庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

衆院選が照らし出した制度疲労と政治文化の転換点



広島瀬戸内新聞社説 衆院選が照らし出した制度疲労と政治文化の転換点

今回の衆議院選挙は、自民党が小選挙区で圧勝する結果となった。しかし、その数字の裏側を見れば、現行制度が抱える深刻な歪みが改めて浮き彫りになった。広島県では自民党の比例代表得票率は40.1%にとどまり、維新の8.3%を加えても過半数には届かない。それにもかかわらず、自民党は県内6つの小選挙区をすべて独占した。民意の多様性が比例票に表れているにもかかわらず、議席配分はそれを反映しない。この構造的な乖離は、もはや制度の限界を示していると言わざるを得ない。

■「二大政党」前提の崩壊と制度の時代遅れ

価値観が多様化し、国際情勢が複雑化する現代において、かつての「二大政党制」を前提とした小選挙区中心の制度設計はすでに現実と乖離している。野党と一括りにしても、外交・安全保障、社会政策、経済政策の軸で大きく異なり、単純な二項対立では整理できない。

それにもかかわらず、政治改革と称して行われるのは定数削減といった「小手先の調整」にとどまる。必要なのは、比例代表制の拡充や中選挙区連記制の再検討など、民意の多様性を正確に反映するための抜本的な制度改革である。

■政策論争が深まらない政治文化

有権者が各党の政策や政治姿勢を十分理解しないまま投票しているとの指摘がある。しかし、その責任を有権者だけに負わせるのは筋違いだ。今回も総理自身が、国論を二分する重要課題を曖昧にしたまま選挙戦を終え、選挙後になってようやく具体的な中身を示した。
野党第一党も合流過程で内部調整が不十分だったとの見方がある。

さらに、総理が討論番組への参加を避けたことで、選挙期間中の論戦は深まらず、政策選択の場としての選挙の機能は著しく損なわれた。

■メディア環境の劣化とネット空間の未成熟

新聞・テレビといった既存メディアは、議席予測に偏り、政策や政治姿勢を問う役割を十分果たせなかった。ネット空間でも、オールドメディア批判を掲げながら、結局は根拠不明の予測や誹謗中傷が横行し、健全な議論の場とは言い難い状況が続いた。

このように、既存メディアとネット双方が「政策論争の場」として機能不全に陥っていることが、政治不信の温床となっている。

■「金をかけた者勝ち」の構造と裏金問題の根

選挙戦の実態は、従来通り「資金力と物量を投入できる側が有利」という構造が温存されたままだ。ビラやポスターに加えてネット広告が増えただけで、選挙の質は変わっていない。裏金問題の背景にも、この「金をかけた者勝ち」の構造が横たわる。

企業・団体献金の禁止と、討論中心の選挙運動への転換をセットで進めることが不可欠だ。選管主催の党首討論・候補者討論を復活させ、ネット中継や市民からの質問受付など現代的な形にアップデートし、選挙の中心に据えるべきである。

■市民参加の欠如と旧統一教会問題の本質

旧統一教会問題の本質は、特定の反社会的団体に政治スタッフを依存していた構造にある。その背景には、市民が政治に関わらない風土があるとの指摘もある。政治家が怪しげな団体に頼らずに済むようにするためには、市民が政治参加を「自分ごと」として捉えられる制度改革と主権者教育の強化が欠かせない。

政治家が問題から逃げず、事実があれば認めた上で、政治文化そのものを健全化する方向へ舵を切ることが求められる。

■制度改革と政治文化改革を同時に進める時代へ

制度の歪み、政策論争の不在、メディア環境の劣化、金権構造、市民参加の欠如。これらは個別の問題ではなく、相互に絡み合った「政治文化の総合的な疲労」である。

必要なのは、制度改革と政治文化改革を同時に進める覚悟だ。民意の多様性を正確に反映する制度、政策論争を深める仕組み、金に依存しない選挙運動、市民が主体的に政治に関わる文化。そのすべてが揃って初めて、日本の民主主義は次の段階へ進むことができる。

---



by hiroseto2004 | 2026-02-10 08:10 | 衆院選2026 | Trackback