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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004
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「怒りを吸い上げられない民主主義へ」 バングラデシュ総選挙が示した“回収”の構造と、日本の課題

 
社説 「怒りを吸い上げられない民主主義へ」
バングラデシュ総選挙が示した“回収”の構造と、日本の課題

バングラデシュで学生たちの民主化運動が社会を揺らした末、
最終的には既存の政治家の家系が政権を握る構図に収束したと報じられている。
この現象を、単なる海外の政治事情として片づけるべきではない。

世界の多くの国で、
市民の怒りや若者のエネルギーが、制度政治の側に吸収される
という構造が繰り返されてきた。
それはバングラデシュに限らず、民主主義国家が抱える普遍的な課題である。

制度政治は、組織・資金・選挙マシンを持つ。
一方、市民運動や学生運動は理念と熱量を持つが、
制度政治の技術や持続的な組織力を欠くことが多い。
そのギャップが、運動の“回収”を生む。

日本でも、反グローバリズムの怒り、生活苦、地方の疲弊が深刻化している。
だが、そのエネルギーが「排外主義」や「陰謀論」に吸い寄せられたり、
あるいは既存政治の延命装置として利用されたりする危険性は、
決して他人事ではない。

では、市民の怒りを“回収”させず、
生活改善と制度改革へとつなげるには何が必要か。

第一に、運動側が「理念」ではなく「政策」を持つことだ。
最低賃金、住宅、交通、医療、教育――
生活に直結する要求を明確にし、
誰が政権を担っても実行させる“市民側の政策パッケージ”を持つ。
政策を持つ運動は、吸収されにくい。

第二に、運動の代表を政治家に依存しないこと。
スポークスパーソンは市民自身が担い、
政治家は“ゲスト”として扱う。
運動の意思決定を市民側に置くことで、
政治家による代理化を防ぐ。

第三に、労働者・学生・地域住民の横連携だ。
既存政治が最も恐れるのは、
生活者同士がつながり、共通要求を掲げることである。
分断されれば吸収される。
連携すれば変革が生まれる。

第四に、反グローバリズムの怒りを「排外」ではなく「生活改善」へ向けること。
怒りの矛先を誤れば、社会は分断され、
本来必要な制度改革は遠のく。
怒りを制度へ、政策へと向けるフレーミングが不可欠だ。

そして最後に、選挙と運動を切り離すこと。
選挙は重要だが、選挙に依存した運動は必ず回収される。
選挙後も続く要求運動こそが、民主主義を支える。

バングラデシュの例は、
市民のエネルギーが制度政治に吸収される危険性と、
それを乗り越えるための戦略の必要性を示している。

日本でも、庶民の怒りを“回収”させず、
生活改善と制度改革へとつなげる道を探らなければならない。
民主主義とは、選挙の結果ではなく、
市民が主導権を握り続けるプロセスそのものである。

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by hiroseto2004 | 2026-02-16 12:47 | 選挙 | Trackback