反体制という名の“懐古”──善意が過去を美化するとき
2026年 04月 09日
広島瀬戸内新聞・社説
反体制という名の“懐古”──善意が過去を美化するとき
イランの反体制派が「皇帝時代の自由」を語る姿が報じられる。
だが、その言葉には危うい懐古が混じる。
権威への反発が行き過ぎると、過去の権威を美化してしまう。
それは日本でも見られた現象だ。
戦前の日本を批判するあまり、
「江戸時代の方が男女平等だった」と持ち上げる声があった。
確かに庶民の生活には柔らかい平等感もあったが、
それをもって近代の不平等を帳消しにすることはできない。
歴史の一側面を切り取って理想化することは、
現実の抑圧を見えなくしてしまう。
イランの皇帝時代も同じだ。
女性の服装が自由だったことをもって「開放的」と語る人もいる。
だが、秘密警察による弾圧は革命防衛隊に劣らず厳しく、
女性の教育水準も低かった。
だからこそ革命が起きたのである。
自由の衣をまとった抑圧は、真の自由ではない。
反体制とは、過去を美化することではなく、
未来を築くために現在を問い直す行為である。
「皇帝万歳」と叫ぶ声が、
実は新しい支配への回帰であることを見抜かねばならない。
広島は、過去の暴力を美化しない街だ。
だからこそ、
どの国の反体制運動であれ、
その中に潜む“懐古の誘惑”を見抜く冷静さが必要だ。
善意が過去を美化した瞬間、
未来は再び閉ざされる。
反体制という名の“懐古”──善意が過去を美化するとき
イランの反体制派が「皇帝時代の自由」を語る姿が報じられる。
だが、その言葉には危うい懐古が混じる。
権威への反発が行き過ぎると、過去の権威を美化してしまう。
それは日本でも見られた現象だ。
戦前の日本を批判するあまり、
「江戸時代の方が男女平等だった」と持ち上げる声があった。
確かに庶民の生活には柔らかい平等感もあったが、
それをもって近代の不平等を帳消しにすることはできない。
歴史の一側面を切り取って理想化することは、
現実の抑圧を見えなくしてしまう。
イランの皇帝時代も同じだ。
女性の服装が自由だったことをもって「開放的」と語る人もいる。
だが、秘密警察による弾圧は革命防衛隊に劣らず厳しく、
女性の教育水準も低かった。
だからこそ革命が起きたのである。
自由の衣をまとった抑圧は、真の自由ではない。
反体制とは、過去を美化することではなく、
未来を築くために現在を問い直す行為である。
「皇帝万歳」と叫ぶ声が、
実は新しい支配への回帰であることを見抜かねばならない。
広島は、過去の暴力を美化しない街だ。
だからこそ、
どの国の反体制運動であれ、
その中に潜む“懐古の誘惑”を見抜く冷静さが必要だ。
善意が過去を美化した瞬間、
未来は再び閉ざされる。
by hiroseto2004
| 2026-04-09 08:09
| 米国・イスラエルのイラン侵攻2026
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