【社説】本格派を増やす選挙制度・政治改革を —— 地盤型とポピュリズムが席巻する政治を超えて
2026年 06月 15日
【社説】本格派を増やす選挙制度・政治改革を
—— 地盤型とポピュリズムが席巻する政治を超えて
日本の政治はいま、奇妙な逆転現象に直面している。政策を練り、議会で働き、行政を監視する「本格派」の議員ほど選挙で苦戦し、地盤に守られた高齢議員や、強い言葉を叫ぶだけのポピュリストが支持を集める。
この構造は、個々の議員の資質ではなく、制度そのものが生み出しているゆがみである。本格派を増やすには、制度を“本格派が勝てる仕組み”へと作り替える必要がある。
■ 議員の仕事を可視化せよ——「見える政治」が本格派を救う
日本の有権者は、議員がどれだけ働いているかを知る術がほとんどない。
質問回数
委員会での発言
法案提出
行政監視の成果
こうした“本格派の仕事”は可視化されず、一方で、SNSで強い言葉を叫ぶ議員や、地元の祭りに顔を出すだけの議員が目立つ。
政治の質を上げる第一歩は、議員の活動をスコア化し、公開することだ。 透明性は、地盤型やポピュリストではなく、本格派を後押しする。
■ 比例代表の拡大——政策型人材が政治に入る入口を広げる
小選挙区は「地元営業型」を過剰に優遇する。政策型・専門家型の議員は、地盤が弱いため不利だ。
比例代表はその逆で、
医療
教育
IT
行政などの専門家が政治に入りやすい。
比例代表の比率を高めることは、本格派を増やす最も確実な制度改革の一つである。
■ 定数削減ではなく“定数拡大”こそ政治改革
「議員を減らせば政治改革」というスローガンは耳ざわりが良い。しかし現実には、定数削減は地盤型の議員を守り、新人・専門家・女性・若者を排除する。
世界の民主主義国は、議会の質を上げるために定数を増やしている。
日本も例外ではない。多様性と競争性を確保するためには、定数拡大こそが必要な改革である。
■ 政党公募の透明化——しがらみ政治を断ち切る
本格派が政治に入るには、政党の公募制度が重要だ。しかし現状は、派閥や地元組織の意向が優先され、政策能力より“しがらみ”が重視される。
必要なのは、
公募の完全公開
第三者委員会による審査
政策能力テスト
公募候補者の優先順位の明確化
透明な公募制度は、本格派を政治に呼び込む最も強力な仕組みとなる。
■ 政治資金の透明化——本格派が資金で負けない仕組みを
本格派は資金集めが苦手だ。地盤型やポピュリスト型は資金が集まりやすい。
だからこそ、
小口寄付の税控除
オンライン寄付の拡大
資金のリアルタイム公開
企業・団体献金の制限
これらの改革が必要だ。資金の透明化は、本格派の追い風になる。
■ 結論:本格派が報われる政治へ
本格派が落ち、地盤型とポピュリストが伸びる政治は、民主主義の健全性を損なう。
必要なのは、
議員の仕事の可視化
比例代表の拡大
定数拡大
政党公募の透明化
政治資金の透明化
これらの制度改革である。
本格派が報われる政治は、国民が正しく選択できる政治である。
制度を変えれば、政治は変わる。そして、政治が変われば、社会は確実に良くなる。



