女性の労働問題と男性介護者問題と新しい政治
2007年 08月 17日
政府機関や自治体であっても,「妊娠したら雇い止め」,などという,憲法に違反する信じられない状況がまかり通っています。
女性たちは裁判で闘争を戦われています。もちろん,公正な判決を司法にはお願いしたい。
しかし,最終的には立法がきちんと,効果的な法規制をする必要があるのです。早急に政治で対応しなければなりません。
しかし,今までの政治では十分対応できていない。
正社員に関しては,そうはいっても,たとえば筆者の友人の勤める大きな建設会社では小学生まで育児のための勤務時間短縮が認められるなど,「それなりに」施策は充実している。
しかし,子どもを産み育てようとする非正規雇用者は結局,女性であるがゆえの差別と,非正規雇用差別の「ダブルパンチ」を食らうことになる。
高齢社会が進み、介護はみじかな問題になっています。
実はそんな中,男性が介護する側に回るというのも増えている。
日本生協連医療部会「男性介護者全国調査」報告では全体の二割。六十代から八十代では配偶者の、四十代から六十代では親の介護が多い。
年金生活者は多いが、職業がある人では自営業が多い。そしてびっくりしたのが正社員・フルタイムというのはほとんどいない。
「男性正社員では介護は事実上無理」という現状が浮かび上がってきます。
私でも結局難しいものがありました。
フルタイム勤務ですが休暇を注ぎ込んで、結局今はほとんどない状態です。
今は結局他人に休日以外ほとんど任せています。
女性でも同じだと思いますが女性の場合はそもそも非正規雇用が多い(これはこれで問題)。
介護による離職率も25パーセント。通院率も高い。
介護は基本は家族。そして女性がやるんだという暗黙の前提。
その中ですっぽり落ちたのが男性介護者問題かもしれません。(女性の場合は地域にサークルなどがあり助け合いがある場合が多いが、男性は入りにくいだろう)
男性が介護する場合によく介護殺人が多いのもそのせいかもしれません。
そもそも「介護=女性」の仕事ということで,普通の男性議員は制度改善に不熱心である。その上で,男性が介護する際の情報共有が少数派ゆえに少ない。この「ダブルパンチ」を食らうのです。
今後は政治の方向性として、いままで手薄だった「働く女性」と「生活者としての男性」の部分にきちんとした支援策が必要です。
この問題については保守派はもちろん、護憲派、リベラル派でも冷淡な場合も多い。
しかし、顕在化しにくいが実は深刻な問題をすくい上げることが必要です。そうでないといけません。
また,議員構成でも「労働者の男性」の代表,まだ1割程度でも「生活者の女性」の代表は「それなり」にいても,「(とくに非正規)労働者の女性」の代表,「生活者の男性」の代表は極端に少ない。
後二者の人たちは,忙しい,低収入などで声を上げにくい状況にある。だからといって無視してよい訳はない。
正社員が女性非正規労働者をクビを切りやすい状況に見て見ぬふりをすれば,結局,自分自身が(非正規に置き換えられるため(会社・当局の「えらい人」は経営・財政がピンチのときは使い捨てやすいほうを雇いたくなるものだから)にいじめられるということになってくるかもしれない。
自分がまだ若いからと,男性介護者の問題を放置すれば,男性は自分が年をとってから苦労するし,女性もひょっとしたら自分が介護してくれる息子や夫に「一緒に死んでくれ」といわれ,「こんんはずではなかった」と後悔するかもしれない。
想像力を働かさねばなるまい,と思うのです。アダム・スミスではないが「他者への共感」を忘れてはならない。
その上で,しかし,当事者を代表できる人が政策決定の場に進出することが大事です。
そんな中,今年行われた選挙で,肯定的な変化がありました。
まず,今回女性の当選者が参院で過去最高の26名に達した。統一地方選では中国地方の女性県議は過去最高となった。
このことを素直に喜んでいます。
その上で以下のような細部に注目したい。
参院選で連合系組合出身の女性候補が比例区で積極的に立ったのも良いことです。30代の若者,そして,非正規雇用出身のベテラン役員と多士済々なのもよい。いろいろな声が
反映しやすいからです。
民主党(都会の中年男性には強いが、農村部や女性に弱かった)が、、そして農村部が多い一人区で積極的に女性を立てたのも良いことです。
一方,今回の統一地方選挙で、関東の生活者ネットが少数でも男性議員を出すようになったのはよいことです。
むろんまだまだ「男性の生活感覚がない人」が幅を利かせているのが実情です。 いろいろな声が政治の場に持ち込まれてこそよい政策も出てきます。
私が,女性議員を増やせというのも,「多様な意思」の「意思決定への反映」を目指す立場からです。そうすることで,よりよい政策ができるということです。
それが本当の「ワークアンドライフバランス」を実現する道です。
安倍総理のような,苦労知らず(権力闘争のご苦労は大変あるでしょうが生活の苦労はないという意味)の三世やお金持ちの代表など,偏った構成の代表で決定し,実施された「ワークアンドライフバランス」は結局,せいぜい,一部の「勝ち組」の育児支援充実が成果で,むしろ,多くの女性や若者が「家庭と両立できる雇用形態」の名目で,パートや派遣などで使い捨てられたわけですから。
野党が参院選で多数派になりひとまず「空襲」は終わりです。庶民の実情に寄り添い政策課題をいかに掘り起こし、提起していくか?
それがこれからの新しい政治です。
日が当たりにくいいろいろな課題を掘り起こすのが政治!と思ったら下をクリック!
人気blogランキングへ
安倍総理関連他ブログ記事(ABEND)
2007年参議院選挙 TBP
介護福祉関連記事(ブログピープル)
女性たちは裁判で闘争を戦われています。もちろん,公正な判決を司法にはお願いしたい。
しかし,最終的には立法がきちんと,効果的な法規制をする必要があるのです。早急に政治で対応しなければなりません。
しかし,今までの政治では十分対応できていない。
正社員に関しては,そうはいっても,たとえば筆者の友人の勤める大きな建設会社では小学生まで育児のための勤務時間短縮が認められるなど,「それなりに」施策は充実している。
しかし,子どもを産み育てようとする非正規雇用者は結局,女性であるがゆえの差別と,非正規雇用差別の「ダブルパンチ」を食らうことになる。
高齢社会が進み、介護はみじかな問題になっています。
実はそんな中,男性が介護する側に回るというのも増えている。
日本生協連医療部会「男性介護者全国調査」報告では全体の二割。六十代から八十代では配偶者の、四十代から六十代では親の介護が多い。
年金生活者は多いが、職業がある人では自営業が多い。そしてびっくりしたのが正社員・フルタイムというのはほとんどいない。
「男性正社員では介護は事実上無理」という現状が浮かび上がってきます。
私でも結局難しいものがありました。
フルタイム勤務ですが休暇を注ぎ込んで、結局今はほとんどない状態です。
今は結局他人に休日以外ほとんど任せています。
女性でも同じだと思いますが女性の場合はそもそも非正規雇用が多い(これはこれで問題)。
介護による離職率も25パーセント。通院率も高い。
介護は基本は家族。そして女性がやるんだという暗黙の前提。
その中ですっぽり落ちたのが男性介護者問題かもしれません。(女性の場合は地域にサークルなどがあり助け合いがある場合が多いが、男性は入りにくいだろう)
男性が介護する場合によく介護殺人が多いのもそのせいかもしれません。
そもそも「介護=女性」の仕事ということで,普通の男性議員は制度改善に不熱心である。その上で,男性が介護する際の情報共有が少数派ゆえに少ない。この「ダブルパンチ」を食らうのです。
今後は政治の方向性として、いままで手薄だった「働く女性」と「生活者としての男性」の部分にきちんとした支援策が必要です。
この問題については保守派はもちろん、護憲派、リベラル派でも冷淡な場合も多い。
しかし、顕在化しにくいが実は深刻な問題をすくい上げることが必要です。そうでないといけません。
また,議員構成でも「労働者の男性」の代表,まだ1割程度でも「生活者の女性」の代表は「それなり」にいても,「(とくに非正規)労働者の女性」の代表,「生活者の男性」の代表は極端に少ない。
後二者の人たちは,忙しい,低収入などで声を上げにくい状況にある。だからといって無視してよい訳はない。
正社員が女性非正規労働者をクビを切りやすい状況に見て見ぬふりをすれば,結局,自分自身が(非正規に置き換えられるため(会社・当局の「えらい人」は経営・財政がピンチのときは使い捨てやすいほうを雇いたくなるものだから)にいじめられるということになってくるかもしれない。
自分がまだ若いからと,男性介護者の問題を放置すれば,男性は自分が年をとってから苦労するし,女性もひょっとしたら自分が介護してくれる息子や夫に「一緒に死んでくれ」といわれ,「こんんはずではなかった」と後悔するかもしれない。
想像力を働かさねばなるまい,と思うのです。アダム・スミスではないが「他者への共感」を忘れてはならない。
その上で,しかし,当事者を代表できる人が政策決定の場に進出することが大事です。
そんな中,今年行われた選挙で,肯定的な変化がありました。
まず,今回女性の当選者が参院で過去最高の26名に達した。統一地方選では中国地方の女性県議は過去最高となった。
このことを素直に喜んでいます。
その上で以下のような細部に注目したい。
参院選で連合系組合出身の女性候補が比例区で積極的に立ったのも良いことです。30代の若者,そして,非正規雇用出身のベテラン役員と多士済々なのもよい。いろいろな声が
反映しやすいからです。
民主党(都会の中年男性には強いが、農村部や女性に弱かった)が、、そして農村部が多い一人区で積極的に女性を立てたのも良いことです。
一方,今回の統一地方選挙で、関東の生活者ネットが少数でも男性議員を出すようになったのはよいことです。
むろんまだまだ「男性の生活感覚がない人」が幅を利かせているのが実情です。 いろいろな声が政治の場に持ち込まれてこそよい政策も出てきます。
私が,女性議員を増やせというのも,「多様な意思」の「意思決定への反映」を目指す立場からです。そうすることで,よりよい政策ができるということです。
それが本当の「ワークアンドライフバランス」を実現する道です。
安倍総理のような,苦労知らず(権力闘争のご苦労は大変あるでしょうが生活の苦労はないという意味)の三世やお金持ちの代表など,偏った構成の代表で決定し,実施された「ワークアンドライフバランス」は結局,せいぜい,一部の「勝ち組」の育児支援充実が成果で,むしろ,多くの女性や若者が「家庭と両立できる雇用形態」の名目で,パートや派遣などで使い捨てられたわけですから。
野党が参院選で多数派になりひとまず「空襲」は終わりです。庶民の実情に寄り添い政策課題をいかに掘り起こし、提起していくか?
それがこれからの新しい政治です。
日が当たりにくいいろいろな課題を掘り起こすのが政治!と思ったら下をクリック!
人気blogランキングへ
安倍総理関連他ブログ記事(ABEND)
2007年参議院選挙 TBP
介護福祉関連記事(ブログピープル)
Tracked
from とらばーゆnet
at 2007-10-11 21:13
Tracked
from ウーマンウィル(Woma..
at 2007-10-20 18:06
by hiroseto2004
| 2007-08-17 04:14
| 新しい政治をめざして
|
Trackback(2)