macskaさんブログエントリ「館長雇い止め」を「バックラッシュ裁判」として闘ったことの帰結へのコメント
2007年 09月 19日
「館長雇い止め」を「バックラッシュ裁判」として闘ったことの帰結
http://macska.org/article/200
で,裁判への批判をいただいています。
また、
http://www.news.janjan.jp/living/0709/0709132238/1.phpにもご意見をいただいているので、コメントをここでまとめておきます。
「しかし同時に、「館長雇止め・バックラッシュ裁判」の中心的な支援者たちに、非正規雇用された労働者が抱える困難を切実に感じている人が少なかったのではないだろうか。」
これはいかがでしょうか?私から見れば,妊娠により雇い止めになった,自治体や政府関係機関の労働者の闘争とも連携を結構とっていた思います。
ただ,露骨なバックラッシュである安倍政府の成立の中で,そちらの論点が会のブログなどで目だったのは確かかもしれません。
そもそも,安倍政府らバックラッシュ派の位置づけはどうか?
2002年,穏健派の柳沢金融大臣(皮肉にも「産む機会」発言を後にしたが自民党としては実は穏健派)がアメリカの圧力で解任され,竹中平蔵金融大臣が就任し,構造改革により中小企業や労働者の切捨てが加速したのと同一時期にバックラッシュが盛んになっています。
すなわち,朝鮮人バッシング,あるいは,ジェンダーバッシングを行うことで構造改革による貧困の拡大などの矛盾から人々の目をそらそう,ガス抜きをしようということではないか?(なお,それ以前から当然デフォルトにバックラッシュというのはある。「セクハラ親父」との戦いはずっとあった。)
新自由主義の補完物としてのバックラッシュ派だった。小泉援護射撃としてのバックラッシュだった。
ただし,最近ではあまりに安倍さんが古臭すぎること,北朝鮮と仲良くして金儲けしたいアメリカや財界にとって,安倍路線が邪魔者になったため,小泉ー福田ラインのクーデターで排除されたのです。
そういうことを考えれば,やはり「今後の敵の本丸」は,アメリカに切り捨てられた北川市議や安倍総理ではなく,女性を安く使い捨てようとする方々になってくると思います。
「自覚的というなら、三井氏が非常勤といっても館長という管理職であったことにより自覚的であってほしかったし、さらに言うなら非正規労働者の問題を切実に感じていなかった人たちにもそれを自覚してほしかった。そうして女性運動の外側に支持を広げて、それでも敗訴したら(するだろう)、そのとき「現行法は非正規労働者の生活を守らない、立法で救済せよ」という主張に重みを持たせることができたと思う。」
また私のJANJAN記事に対しては、
「日本の正規社員に比べれば企業が解雇をはるかにしやすいと考えられている米国でも一般労働者は、州によっても制度は違って複雑なのですが、平均的にははるかに身分は守られており、おっしゃる様な合意のある場合の解雇は不法となる可能性があります。しかし、それは一般労働者の場合であり専門職や管理職はまったく別です。三井さんの職は豊中市の男女共同参画主意新センターのセンター長ですから、高度の専門職です。」
というご意見もいただきました。
「管理職」だから,保護されなくて良い,としてしまうと、落とし穴です。そもそも非常勤館長の年収は手当て交通費なしで360万円。
ちなみに特に何の権限もないし,三井さんと比べればはるかに専門的ではない仕事をしている県庁の30代平職員の私が通勤手当などつきで400万円です。豊中市の職員も似たようなものでしょう。(民間大手企業なら30代でさらにその倍近くなんてざらにあります。)
平職員より少ない給料で雇っておいて「専門的」と称して保護しないというのはいかがなものでしょうか?それこそ「ダブスタ」です。正社員より給料が高い専門スタッフなら話は別でしょう。たとえば,かつて優勝請負人といわれた江夏豊投手(広島,日本ハムを優勝に導いた押さえの切り札投手)。
だが,その「ダブルスタンダード」が流行している。比較的「単純労働」のはずの正社員男性より低賃金で女性・非常勤を専門的だから,ということで,使い捨てる。このことが各労働現場で起きていることの本質ではないか?今回の裁判はそのことを突く裁判でもあるのです。
派遣労働もそもそも「専門的」だから許されてきた面があります。高賃金専門的労働に限定していたのに,それを広げて悪用した歴史がある。
今の,雇うときは低賃金にしておいて,首にするときは「専門的」を適用するダブスタを許してはいけない。
この「えらい人」によるダブスタをほうっておけばどうなるか?しまいに,正社員(とくに男性)も,「お前は,女性たちよりも高賃金なのだから,専門的だろ。」ということで,「裁量労働制」「ホワイトカラーエグゼンプション」を食らうわけです。
この裁判はおおげさではなく,全労働者の課題であるということをもう一度,再確認したいと思います。
もうひとつ。行政のアカウンタビリティーの問題というのももっと出して言っても良いと思います。
「説明できないことをしてはいけない」。ということです。市は三井さんに何の批判も注文もしてこなかったのに,裏でこそこそ。突然ばっさり。これは言語道断です。
「説明できない大臣は去ってもらう」という安倍さんの内閣改造ではないが説明責任を行政に厳しく求めることが必要です。
ご意見はこちらへ
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http://member.blogpeople.net/tback/09077 自・ENDキャンペ
ーン)
介護福祉関連記事(ブログピープル)
target="_blank">
(以上4つは「雑談日記」ご作成)
http://macska.org/article/200
で,裁判への批判をいただいています。
また、
http://www.news.janjan.jp/living/0709/0709132238/1.phpにもご意見をいただいているので、コメントをここでまとめておきます。
「しかし同時に、「館長雇止め・バックラッシュ裁判」の中心的な支援者たちに、非正規雇用された労働者が抱える困難を切実に感じている人が少なかったのではないだろうか。」
これはいかがでしょうか?私から見れば,妊娠により雇い止めになった,自治体や政府関係機関の労働者の闘争とも連携を結構とっていた思います。
ただ,露骨なバックラッシュである安倍政府の成立の中で,そちらの論点が会のブログなどで目だったのは確かかもしれません。
そもそも,安倍政府らバックラッシュ派の位置づけはどうか?
2002年,穏健派の柳沢金融大臣(皮肉にも「産む機会」発言を後にしたが自民党としては実は穏健派)がアメリカの圧力で解任され,竹中平蔵金融大臣が就任し,構造改革により中小企業や労働者の切捨てが加速したのと同一時期にバックラッシュが盛んになっています。
すなわち,朝鮮人バッシング,あるいは,ジェンダーバッシングを行うことで構造改革による貧困の拡大などの矛盾から人々の目をそらそう,ガス抜きをしようということではないか?(なお,それ以前から当然デフォルトにバックラッシュというのはある。「セクハラ親父」との戦いはずっとあった。)
新自由主義の補完物としてのバックラッシュ派だった。小泉援護射撃としてのバックラッシュだった。
ただし,最近ではあまりに安倍さんが古臭すぎること,北朝鮮と仲良くして金儲けしたいアメリカや財界にとって,安倍路線が邪魔者になったため,小泉ー福田ラインのクーデターで排除されたのです。
そういうことを考えれば,やはり「今後の敵の本丸」は,アメリカに切り捨てられた北川市議や安倍総理ではなく,女性を安く使い捨てようとする方々になってくると思います。
「自覚的というなら、三井氏が非常勤といっても館長という管理職であったことにより自覚的であってほしかったし、さらに言うなら非正規労働者の問題を切実に感じていなかった人たちにもそれを自覚してほしかった。そうして女性運動の外側に支持を広げて、それでも敗訴したら(するだろう)、そのとき「現行法は非正規労働者の生活を守らない、立法で救済せよ」という主張に重みを持たせることができたと思う。」
また私のJANJAN記事に対しては、
「日本の正規社員に比べれば企業が解雇をはるかにしやすいと考えられている米国でも一般労働者は、州によっても制度は違って複雑なのですが、平均的にははるかに身分は守られており、おっしゃる様な合意のある場合の解雇は不法となる可能性があります。しかし、それは一般労働者の場合であり専門職や管理職はまったく別です。三井さんの職は豊中市の男女共同参画主意新センターのセンター長ですから、高度の専門職です。」
というご意見もいただきました。
「管理職」だから,保護されなくて良い,としてしまうと、落とし穴です。そもそも非常勤館長の年収は手当て交通費なしで360万円。
ちなみに特に何の権限もないし,三井さんと比べればはるかに専門的ではない仕事をしている県庁の30代平職員の私が通勤手当などつきで400万円です。豊中市の職員も似たようなものでしょう。(民間大手企業なら30代でさらにその倍近くなんてざらにあります。)
平職員より少ない給料で雇っておいて「専門的」と称して保護しないというのはいかがなものでしょうか?それこそ「ダブスタ」です。正社員より給料が高い専門スタッフなら話は別でしょう。たとえば,かつて優勝請負人といわれた江夏豊投手(広島,日本ハムを優勝に導いた押さえの切り札投手)。
だが,その「ダブルスタンダード」が流行している。比較的「単純労働」のはずの正社員男性より低賃金で女性・非常勤を専門的だから,ということで,使い捨てる。このことが各労働現場で起きていることの本質ではないか?今回の裁判はそのことを突く裁判でもあるのです。
派遣労働もそもそも「専門的」だから許されてきた面があります。高賃金専門的労働に限定していたのに,それを広げて悪用した歴史がある。
今の,雇うときは低賃金にしておいて,首にするときは「専門的」を適用するダブスタを許してはいけない。
この「えらい人」によるダブスタをほうっておけばどうなるか?しまいに,正社員(とくに男性)も,「お前は,女性たちよりも高賃金なのだから,専門的だろ。」ということで,「裁量労働制」「ホワイトカラーエグゼンプション」を食らうわけです。
この裁判はおおげさではなく,全労働者の課題であるということをもう一度,再確認したいと思います。
もうひとつ。行政のアカウンタビリティーの問題というのももっと出して言っても良いと思います。
「説明できないことをしてはいけない」。ということです。市は三井さんに何の批判も注文もしてこなかったのに,裏でこそこそ。突然ばっさり。これは言語道断です。
「説明できない大臣は去ってもらう」という安倍さんの内閣改造ではないが説明責任を行政に厳しく求めることが必要です。
ご意見はこちらへ
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ーン)
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(以上4つは「雑談日記」ご作成)
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at 2007-09-19 14:48
タイトル : さとうしゅういちさんへのお返事/「館長雇い止め裁判」関連
前エントリ「『館長雇い止め』を『バックラッシュ裁判』として闘ったことの帰結」について、「館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会」のメンバーでもあるさとうしゅういち氏がコメントしている。 ...... more
前エントリ「『館長雇い止め』を『バックラッシュ裁判』として闘ったことの帰結」について、「館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会」のメンバーでもあるさとうしゅういち氏がコメントしている。 ...... more
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from 世界各国人気商品。アメリ..
at 2007-09-19 15:39
タイトル : 秋注目不思議なバッグ”ZIPIT”『トレたま』で紹介され..
”ZIPIT”『トレたま』で紹介されました!!!テレビ東京系列、毎週月曜日から土曜日23:00より放送されている「ワールドビジネスサテライト」内のコーナー『トレンドたまご』にて6月7日(木) 紹介されました!!!7月4日(水)CBCラジオ、多田しげおの気分爽快!!朝からPONで紹介されました不思議なバッグ”ZIPIT”『トレたま』で紹介されました!!!世界各国の人気商品。アメリカではSPREESHOWのSPECIALITY RETAILも受賞した。日本では、6月下旬からは正規代理店がついて拡販されます...... more
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by hiroseto2004
| 2007-09-19 05:08
| ジェンダー・人権(裁判)
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