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エコでフェアでピースな世界をヒロシマから国政へ!成長戦略から成熟戦略。誰もが置きざりにされない社会を。核兵器も原発もない世界を。役人からヘルパーへ。庶民増税より格差是正。ヒロシマの心活かす市民発・政界再編。


by hiroseto2004

問題は「サブプライムローン」より「安物買いの銭失い社会」

 最近、非常に気になっていることがあります。

 それは、経済の不調について、何でもかんでもアメリカのサブプライムローンの(バブルの崩壊の)せいにされているのではないか、ということです。

 福田総理は、先月、株価が1万三千円を切った日の夕方、「世界的株安でしょ」と記者団に向かって、はき捨てられ、大田弘子経済財政大臣も「日本独自での景気対策は考えていない」とTVカメラに向かっておっしゃった。この二人の無責任な言葉は頭に染み付いて離れません。

 そのときのお二人は、サブプライムローン崩壊→アメリカ株価下落→だから日本経済が悪くなってもしょうがない、といわんばかりでした。

■ここ15年、悪かった日本経済

 まず、冷静に考えると、日本の景気は、サブプライムローンが崩壊する前からずっとほかの先進諸国より悪かったのです。一人当たりGDPは、横ばいを続け、その結果かつては世界でダントツの一位だったのが、いまや18位まで後退してしまいました。

そして、「実質実効為替レート」も低下した。http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/exrate.htm
乱暴に言えば、日本の自動車1台でアメリカの小麦が何トン購入できるかという数字が下がった。「国際的に日本は貧しくなった」のです。これを「景気がよい」と強弁してきたのは誤りでしょう。だから、日本経済は「もともと悪かった」というべきです。

■ワーキングプア、医療崩壊、すべて「失政」

 また、冷静に考えて見ますと、日本でワーキングプアが増えているのは、サブプライムローンのせいでしょうか?

違います。

 1997年からすでに、労働者の賃金は低下する一方でした。220兆円から2006年には200兆円にまで低下したのです。

民間給与の実態調査結果(全データ)(PDFファイル/1,305KB)
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2006/menu/pdf/00.pdf


格差拡大と対米従属こそが「小渕の呪い」
http://www.news.janjan.jp/government/0709/0709283117/1.php

 医療や福祉が崩壊しかかり、高齢者はもちろん、若い者にも将来にかけて不安がのしかかっているのは、サブプライムローンのせいでしょうか?

 違います。大竹記者がJANJANで精力的に指摘されているようなことがサブプライムローンのせいのわけがありません。

後期高齢者医療制度は「団塊うば捨て山」 (5)医療が介護保険に吸収される
http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802050246/1.php

これらは、すべて「失政」であり「日本の政治によって引き起こされた人災」です。

■価格破壊→賃金破壊・・・「西部予言」の悪夢実現

 さて、ここで思い出したいことがあります。

 1996年ころ、元東大教授・西部邁さんは、「月刊発言者」などで、「価格破壊は賃金破壊、文化破壊につながる」と警告されていました。

私は、西部さんに当時、大いに共感しましたが、当時は「生活者のための政治」の名の下に「価格破壊万歳」「規制緩和万歳」という風潮でした。私が西部さんを持ち上げても同級生でもわかってくれる人は少数でした。

 当時は、「農民はけしからん。中小商店もけしからん。」そのうち、「医者もけしからん。」という話になった。なんとしても、日本の高コスト構造を打破するのだ。それを邪魔するのは国賊だ、という風潮でした。

 その風潮をリードしたのは最初は現民主党代表の小沢一郎さん率いる新進党、1997年末の「小沢失脚」後・2001年の「小泉登場」までは、鳩山由紀夫さんらの(旧)民主党でした。

 新進党や(旧)民主党は自民党政権の下での「規制」の代わりに、セーフティネットを充実させることも主張していた。この部分はおそらく、最初に「生活者の政治」を言い出した、大都市部のリベラルな主婦や彼女らの支持を受けた市民派の女性議員たちの主張を取り込んだのでしょう。彼女たちの運動は全うだと思うし、それは今でも私は支持しています。

 しかし、結局、小泉以降の自民党は新進党に引っ張られる形で「競争促進」を進める一方、自民党の「セーフティネット貧困さの維持」を併せて進め「最悪の結果」を招いたと思います。

 とくに小泉政権になってからは、賃金を抑制する一方で、巨額のドル買い為替介入を行って円安に無理やり誘導し、輸出に馬力をかけたのです。その副作用が現れているのです。

 そもそも、サブプライムローン問題も、小泉政治のもと、国内で余ったお金がアメリカに流れ込んで(というより小泉政府が意図的に流し込んで)、加速した面があるのです。

 しかし、為替介入にお金を35兆円も1年3ヶ月の間に注ぎ込んだ同じ自民党・公明党がなにをやったか。

 「人の命も金次第」の後期高齢者医療制度強行、障害者「自立支援」法、地方交付税カット、定率減税廃止などを強行したのです。

賃金が減るから内需も減る。内需は減るから、所得も減る。
内需が減るから輸出に依存する。その悪循環です。

自民党の基盤だった農民や中小商店、医者をたたくのは、かつての新進党や(旧)民主党の基盤だった大都市のサラリーマン世帯が喜ぶことでした。

 大手企業の旧民社系労組の人も、大都市に多い創価学会のかたがたも、そして若者たちもこんな政治を受容した。その代わり、子育てや介護、住宅などのセーフティネットが充実されると信じて。

 なお、民社系にはジェンダー問題では都議の土屋たかゆきさん、北川悟司さん(元豊中市議)のように男女役割分離に固執する人(バックラッシュ)が比較的多く、創価学会やリベラルな人はジェンダー格差解消に比較的熱心だが、当時は「都市型」「生活者」で共闘したのです。

彼ら、彼女らの一部は、小泉さんが登場すると自民党に鞍替えし、ブームを支えたのです。公明党支持者の新進党から自民党への「鞍替え」もこれで説明できます。

しかし、答えは現状の惨状のとおりです。西部さんの予言は12年たった今、見事に的中しました。正社員のサラリーマンたちも特に公務員を中心にバッシングにあっているのです。

■「安物買いの銭失い社会」から脱却を!

この12年間の政治については、過去のJANJAN記事で多く批判してきました。労働法制の改悪、ジェンダー不平等の放置、アメリカ従属、無謀な緊縮財政、地方切捨て・・。

それらについては、もう繰返しません。今回は官民ともに「安かろう悪かろう主義」からの脱却すべき、ということを、根本から訴えたいと思います。

「ものが安ければそれでよいのか?」
「賃金を安く人を使えればそれでよいのか?」

このことが問われています。

「安物買いの銭失い」という格言を思い出すべきです。

個人レベルでも、むやみに安物を買うとろくなことはない。

社会全体でもそうなのです。

先進国でも異常なまでの物価下落をしてきた日本。

その日本だけが、一人当たりGDPも伸びず、「実質為替レート」も下落して「国際的に貧しくなった」ことから目を背けてはいけない。日本より物価が何倍もするノルウエーのほうが成長している。イギリス(地下鉄の初乗りが900円もする!)などほかの欧州諸国も日本よりはるかに調子はよい。

安物しか売れなくなれば賃金もさがる。
賃金が下がれば安物が売れ筋になる。
企業もそれに対応して安物を追求する。
そうすると、安全や、環境への配慮もおろそかになるのです。
品質も長期的には落ちてきます。

 あの生協がなぜ、中国企業に餃子の製造を委託したのですか?

根本的には、組合員(お客)が、貧しくなったからではないですか?

行過ぎたグローバリズムがさらに行過ぎたグローバリズムを呼び、企業自身の首も絞めていく。

最近は原油も高騰している。だからやむなく物価も上がっているが、その転嫁は不十分で、主にそれは中小企業や労働者がかぶっています。これも、人々の所得が低いが故ではないですか?

 また、政府がむやみやたらに緊縮財政をすれば医療や介護などのセーフティネットが破壊される。将来への不安から中間層は消費を押さえ込む。内需が低迷する。

 低所得者層のこどもたちの進路が狭まっている実態もある。東大へ行くのだけがいいというものではないが、幅広い中から人材を活用できない社会の活力は落ちてきます。

「安かろう」の追求が「悪かろう」につながってきた最近の悪循環をとめねばならない。

そうしないと、景気もよくならないし、環境にも悪いし、生活の安全も守れないのではないですか?

飯が食えない女性や若者、医療を受けられない高齢者。エネルギー消費が伸びる割に景気が悪い日本(世界銀行調査)・・・。

こんな今の状況なんぞごめんこうむりませんか?

 価格破壊が始まったのは1994年ころのこと。もう10年以上たちましたよ。

 いい加減に「サブプライムローンだけが問題かのような印象操作」や、最近では「「改革が後退したから株が下がった」などの「デマ」」に惑わされるのはやめませんか?

日本人もそろそろ、官民挙げて「安かろう悪かろう主義」「安物買いの銭失い」をやめないといけません。

ただし、個人レベルの努力だけでは、所得が落ちていますから、「安物買い」を止めるのは無理です。

そういう視点に立って、財政運営、再強化も含めた規制のありかた、労働者の処遇のあり方などを総合的に考え直す時期だと思います。


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Tracked from 為替介入のおいしい情報教.. at 2008-03-15 03:29
タイトル : 為替介入の知られざる謎
こんにちは。今日も見てくれてありがとう。ブログの更新行きますね。さあ、本日も為替...... more
by hiroseto2004 | 2008-02-07 12:28 | ジェンダー・人権 | Trackback(1)