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by hiroseto2004

女性議員から見る政策決定と男女共同参画

わたしは,2008年4月から9月,(財)広島県女性会議が主催する「エソールひろしま大学応用講座」で学びました。これは,男女共同参画を推進する人材を育成する講座です。その講座ではグループを作り,共同研究発表を行います。

 そこで,わたしのグループは,政策・方針の立案および決定の場に参画する女性議員の実情について調べ,どのようにすれば,女性の社会参画が進むかということについて考え,9月13日の修了式で発表しました。
(さとうしゅういち)

女性議員から見る政策決定と男女共同参画

1,はじめに

 2005年12月に国は,第2次男女共同参画基本計画を策定し,「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に高める」という目標を設定している。私たちの地域では女性の就業率は上昇を続け,地域活動に参加する女性は増加している。しかし,指導的立場の女性や政策決定にかかわる立場の女性は依然として少数である。

広島県は「政策・方針の立案および決定過程への男女共同参画の促進」の啓発を行うとしている。広島市では審議会や行政委員会の委員に女性を選任するとともに幹部職員への登用を積極的に取り組み,「2010年度までに女性委員の割合を35%以上にする目標の達成に積極的に取り組みます」と率先して取り組もうとしている。福山市は「政策等の立案決定過程への女性の参画の拡大が重要です。そのことによって,新たな視点から幅広い議論が可能となり,さまざまな人の立場を考慮した政策の立案・実施が可能になります。本市における各種審議会への女性の参画状況は,2007年4月1日現在,23.5%と,前基本計画(第1次)策定時の20.7%(2003年4月1日現在)と比較すると,登用は徐々に増えてきていますが,未だに男女が対等に参画しているとは言えない状況であり,さらなる取組が必要です。」としている。

 そこで,私たちは,政策・方針の立案および決定の場に参画する,広島県における女性議員の実情について調べ,どのようにすれば,女性の社会参画が進むかということについて考えることにした。

2,広島県における議員の現状

 広島県における議員は,表1のとおりで,県会議員,市会議員,町会議員の総数672人。内,女性議員は54人で,県平均約8%であった。県議会議員は5人で7.6%。定数11人の福山市,定数4人の東広島市と尾道市では女性議員は一人もいないという状況だった。町議会議員平均は5.9%で市議会議員よりも2.5ポイント低かった。

女性議員の割合は,府中市の16.7%が最も多く,府中町,廿日市市,広島市など都市部に多く,一人もいない議会は1市4町で,庄原市,北広島町,世羅町,神石高原町など,県北の市町に女性議員不在がめだった。

3,女性議員へのアンケート調査

① 調査の目的

 広島県内の県,市,町議会の中で,女性議員の数は少ない。現女性議員は現状をどのように感じているのか,どんな悩みを持っているのかを調査し,男女共同参画社会の実現に向け,何ができるのか,何が不足しているのかを考察するため実施した。

② 調査の概要

 調査期間 6月20日〜7月10日

 調査対象 広島県会議員・広島県内の市会議員・町会議員の内の女性議員54人

 調査の方法 自記式調査票調査

  面会できた議員と,女性議員クラブの会議に出席された議員に協力を依頼した。

 調査項目 1) 年代

  2) 当選回数

 3) なぜ立候補しようと思われましたか?

 4) どのような活動をされていますか?

 5) 活動の中での苦労はどのようなことがありますか?

 6) 現状の女性議員の数についてどのように思われますか?

③ アンケート調査の結果と考察

調査対象者54人のうち23人に依頼し,回答を得た。

1) 年代では50歳代が10人と最も多く,40歳代と60歳代が6人だった。(図1参照)

2) 当選回数は,ほぼ同じ割合だった。(図2参照)

年代と当選回数を合わせてみると,40歳代で初めて立候補した人が多いと推察できる。

3) 立候補の理由は「推薦を受けて」と「声を届けたい」が多く,無投票阻止や女性議員ゼロの阻止のため立候補を決意した人もあった。(表2参照)

4) 活動内容の集計は複数の活動ポイントをそのまま集計した。(図3参照)

教育,福祉部門に集中している。

5) 活動の中での苦労は,「主婦との両立に苦労」していると答えた人が2人,「女性議員の数が少なすぎて,合意を形成するのが難しい」「女性議員として,地域の中での社会的位置付けが低い」と,家庭,地域社会,議会の中でジェンダーに悩む姿がうかがえる。

6) 現状の女性議員の数については,無回答の一人を除いては,全員が「少ない」と回答した。

具体的に数字を挙げた人をみると,3分の1以上を望む人が4人,半分以上を望む人が2人,とクォータ制を挙げた人1人で,全員が3分の1以上を挙げた。女性議員全体で見ても, 3分の1以上の女性議員が必要と回答した議員は約31%となった。

まとめ

ほとんどの女性議員は「女性議員が少なすぎる」と感じている。活動の中心は教育・福祉が大半で,生活に密着した女性の目線で活動されている様子がうかがえる。その一方,政策や議会運営との回答は2件と少なく,この分野への女性議員の積極的なかかわりも必要と感じた。年代別では,20代,30代の女性議員が一人もいません。家庭の中で家事,子育て,介護など多くの役割を担っている女性は,男性以上に多忙で,立候補しずらい状況にあるのがうかがえる。

4,おわりに

 アンケートの最後に自由記述で意見を求めた。その中に参考になる貴重な意見を寄せていただいた。

・女性,半分とまでいかなくてもせめて30%にはなってほしい。慣習や政官業の癒着のない女性の視点が大切。

・エソールひろしま大学応用講座で学ばれた見識を地域の中に広め,生かしていただくために,地元の女性議員とも協力していただければ幸いです。党派や考え方は様々でしょうが,男女共同参画という視点は,多くの女性議員の指向性は同様だと思う。女性の力を結集して地元自治体・行政を変えていきましょう。

・議会における女性の地位は大変低い所にあります。女性だからというだけで重要なポストに就けないことは当たり前のように行われています。有権者の方には男性だから女性だからというのではなく,その人で議員を選んでほしいと切に思う。

・もっといろいろな方が選挙に出やすい仕組みづくりが大切。候補者の考え方がよりわかる場面,機会づくりが大切。有権者の意識改革も大事。女性議員の少なさにおかしいと気づく方,世の中の半分は女性ですから。

・女性議員との懇談会など企画していただけたら,いつでもお話しに伺います。情報交換をリラックスした雰囲気でできるような会が定期的にあればと思う。

これらの意見から,議会の中で女性議員の発言力や地位向上のため,女性議員数の確保が何より必要であることが伝わる。「選挙に出やすい仕組みづくり」や「人材育成」のため,また現職議員をサポートするためにも,エソールの同窓会,地域女性会,子育てグループなどと情報交換や意見交流の場を,定期に開催することが参画推進の大きなポイントであると思う。実践例として,三次市甲奴町地域女性会(ピースベル甲奴)は2004年発足以来,毎年1回市政懇談会を開き,市長,議員,との意見交流を行って来た。当初,役員の中でも,政治に関する行事は会員の関心が薄く,参加が望めないのではと懸念する声もあったが,実行してみると,毎年参加者も増え,意見も時間が足りないほど出されるようになった。政策を語る場を経験することで,行政の仕組みや実績が把握でき,自分の意思決定もなされてくる。女性の政策決定への第一歩であり,地域社会の意識改革につながるのではなかろうか。

女性自らが政策決定の場へ出る必要性を自覚することが先決ではあるが,政党や会派,組織に縛られず立候補でき,お金のかからない選挙制度の整備が必要だ。議員活動に専念できる環境も確保されるべきで,男性の家事への参加,子育て,老人介護など,各種支援の充実も急務である。有権者としても,自ら候補者の資質を評価し,自分の意思で投票し正しい選挙を行う義務がある。社会組織にあまりにも縛られた政治を打破できるのは,自由な感性を持つ女性であると思う。

最後に,調査にご協力いただいた女性議員の皆様のご厚意に心から感謝申しあげます。

資料

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 女性議員数/総議員数/比率
広島県議会5/66/7.6%
広島市議会7/55/12.7%
廿日市市議会4/31/12.9%
大竹市議会1/18/5.6%
呉市議会 4/38/10.5%
江田島市議会1/25/4.0%
東広島市議会3/32/9.4%
竹原市議会1/16/6.3%
三原市議会3/37/8.1%
尾道市議会2/34/5.9%
福山市議会5/46/10.9%
府中市議会4/24/16.7%
三次市議会2/26/7.7%
庄原市議会0/33/0.0%
安芸高田市議会2/22/9.1%
一般市議会合計32/382/8.4%
府中町議会4/26/15.4%
海田町議会1/15/6.7%
熊野町議会2/16/12.5%
坂町議会1/12/8.3%
安芸太田町議会2/18/11.1%
北広島町議会0/26/0.0%
大崎上島町議会0/16/0.0%
世羅町議会0/22/0.0%
神石高原町議会0/18/0.0%
町議会合計10/169/5.9%
総計54/672/8.0%


立候補理由人%
推薦を受けて 7人30%
声を届けるため 7人30%
住みやすい市政を目指して 5人22%
役に立ちたい 2人9%
無投票・女性議員ゼロになりそうだった 2人9%
計23人100%


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by hiroseto2004 | 2008-09-16 18:36 | ジェンダー・人権 | Trackback