【厚生次官経験者連続殺傷事件】平成の血盟団事件を憂う

厚生次官経験者宅が相次ぎ襲撃され、さいたま市では二人が亡くなり、中野区ではご家族が重傷を負いました。

亡くなられた方には心から哀悼の意を表します。また怪我をされた方の回復を心からお祈りいたします。

一秒でも早く犯人が検挙され、真相があきらかになるよう、望みます。

ふと、今回、嫌な感じが頭をよぎりました。【平成の血盟団事件なのか】と思いました。

血盟団事件は、昭和初期、当時の政界大物の井上準之助や、財界大物・団琢磨【今ならトヨタの奥田さんやキヤノンの御手洗さんのような存在】らが、血盟団により、【天誅】を加えられるという事件でした。

おりしも、今、血盟団事件当時と同じく、世界的な恐慌になっています。
ちょうど、浜口内閣の金解禁=現代でいえばネオリベラルないしネオコン政策が失敗して、大惨事になっていたのです。今もやはり、小泉純一郎さんによるネオコンないしネオリベラルによる弊害が噴出したところです。
今までの自民党政府のいわゆる【改革】のやり方は、多くの場合、末端の【小物】だけをやり玉にあげ、大物の利権は温存してきました。

さらに、小泉純一郎さんはなまじ官僚の利権に食い込み、一方で保育を充実させるなど、人々に期待をさせてしまった。

一時は喝采を浴びたが、彼が辞めた後は貧困が蔓延しました。

年金記録問題。そして報酬改ざん問題。

トヨタやキヤノンをはじめ、大手企業は、労働者を使い捨てて大儲けしていました。この労働者派遣法緩和も考えてみれば厚労省所管です。

こうしたことを背景に、人々の不満は、戦後としては恐らく、過去になく高まっています。

だが、だからといって、人を殺してはいけない。

犯罪者は、正規の法手続きでさばかれる。悪人は、やはり民事訴訟で裁かれ、損害賠償の形でツケを払う。

悪政を行った政治家は選挙で敗れる。あるいは証人喚問される。

これが法治国家、立憲主義、民主主義というものです。

もちろん、革命権や抵抗権はありえます。

が、これは、たとえば、麻生さんが総選挙で負けても、自衛隊を使ってクーデターでも起こして居座るなど、憲法が権力者により、停止された場合くらいが想定されます。

基本的に世の中を変えるには、選挙か、請願やデモなどの行動か、あるいは裁判か、になるわけです。

犯人がもし正義感から立ち上がったとしてもそれは間違った正義感です。

あまりに腐りきった現状への憤りはわからないではない。が、暴力は、連鎖を呼びます。

やがて、みな萎縮して、言論の自由も失われていきます。

人を殺すのは重い犯罪です。

だが、もし、権力者へのテロのつもりで犯人が刃物を取ったのなら、それはとりわけ強く非難せざるを得ません。

一方で、日本は一刻も早く政権交代可能な民主主義を根付かせるべきです。

そして、格差を是正し、社会から排除される人がないようにしないといけません。

政権交代もなく、格差が広がるばかりでは、絶望感が広がります。

【対テロ戦争】に協力してきた日本ですが、その間に、格差を拡大し、国内で知らない間にテロの芽を育ててきたのではないか、と反省すべきときです。

道をあやまれば、本当にとんでもないことになるような気がします。





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