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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

【第11回DVシェルターシンポジウム2008inおかやま】

DVシェルターシンポジウム2008in おかやま

【DVシェルターシンポジウム2008inおかやま】

今日一日目の分科会は、【医療現場におけるDV被害当事者への対応】に参加しました。

医療現場には、当然、DVが原因で、怪我をしたり、病気になったりする人も多くきます。また、産婦人科の場合、妊婦さんが多くの場合、相手にしています。DV加害者は、「パートナーが赤ちゃんの方に注意を向け、自分をかまってくれない」と腹を立て暴力を振るうケースも多いのです。

しかし、実際には、DVを医療現場で見つけて、関係機関と連携して対応する、ということはうまくできていないのが実情です。

わたしも、男女共同参画と、医療関係にまたがって仕事をしています。「男女共同参画は男女共同参画、医療は医療」と、縦割りで分けてしまうのは不毛であり、DV問題(男女共同参画の課題)も県民にとっての健康問題のひとつ、という問題意識を持っており、今回の分科会に参加しました。

分科会講師の一人の一橋大学大学院の宮地尚子教授は、精神科医で社会学を教えておられます。「医師でDV問題をやる人が少ない」ということから、この問題に取り組まれています。

宮地さんは、DV問題について、医療従事者にきちんとを持ってもらうためには、以下のようなことが重要だ、としました。をあげました。

女性の3分の1は、何らかの被害経験があり、10人に1人は繰り返し受けている。20人に1人は命に危険を感じるほどのひどい暴行を受けている。100人に1人は繰り返し命に危険を感じる暴行を受けている。だから、「100人に1人が命に危険を感じるという感染症があったら、大問題だ」と思ってほしいという言い方が必要ではないか、ということです。

また、望まない妊娠や中絶、性感染症、PTSDなどはDVが背景にある場合が多いということです。そして、自殺を企図する割合がなんと3.8倍になる。さらに、子どもにも悪影響を及ぼし、男の子なら加害者に、女の子なら被害者になってしまいかねない。そういうことをきちんと伝えていくことが必要、としました。

一方で、医療関係者の中には、一回DV問題に足を突っ込むと、「パンドラの箱」をあけたようになり、大変だ、と思い込んでしまう例もある。そこで、「医療従事者は具体的な支援を、被害者が得るきっかけになればいい」位の言葉をかけ、負担感を軽くすることも大事、としました。

■基本的な認識を広めることが必要

 今のDV防止法では、保護命令(接近禁止命令と退去命令)ができる、DVがあるときには、守秘義務が免除され、通報ができる、と、いうことなど、基本的な知識を医療従事者が習得しておくことが大事だ、としました。

そして、DVを「公衆衛生的な問題」、として認識しておくことが必要だと、しました。

さらに、患者が本当のことを話しやすいようにするためにも、対等な患者と医療従事者関係、また、医療従事者同士の関係が必要ではないか、としました。

宮地さんはそこで、医療従事者向けのマニュアル本「医療現場におけるDV被害者への対応ハンドブック 明石書店」を編著されています。

ついで、産婦人科医で、岡山大学教授の中塚幹也さんから、産婦人科とDVについて、報告いただきました。

流産などの背景には、「夫が病院に連れてきてくれない」、「胎児虐待」(おなかを蹴る)などがあるそうです。

 カナダの調査では、DV被害者の出血率は3倍、周産期死亡率は7倍にもなる、ということです。

 さて、国内でどの程度、助産師や看護師が、「妊娠中にDVが増える」ことについて、知っていたかといえば、心もとない結果でした。

 「よく知っていた」という人は21%、少し知っていたが59%、あまり知らないが15%程度だったということです。

DV被害者の妊婦を扱ったことがあるかという問いには、約半分があるということです。

特徴的なこととしては、20代の医療従事者では、DV被害者の妊婦を見ても「どうしたらよいかわからない」という人が結構いたということです。

また、妊婦向けに、中塚さんらはDVについてのパンフレットをつくっていますが、その「患者向け」のパンフレットは、医療従事者にとっても有用、という意見が圧倒的多数を占めました。

「やさしめ」の患者向けのパンフレットでも、医療従事者の多くには「新鮮」で「役立つ」ということなのでしょう。

また、総合病院と、診療所や助産所を比べると、総合病院では専門家や行政と連携する率が高いが、診療所や助産所では、連携している割合が少ない、ということでした。

やはり、情報の周知徹底や、教育段階からDVについて教えていくことが必要、ということでした。

参加者からは「母子相談員として扱った、多くの事例が、DVの果ての妊娠だった」という福岡の母子相談員の方など、実態を踏まえた、感想や質問が出されました。

DVの医療現場におけるマニュアルは、ほかの自治体では出しておられるところも多い。

ただ、広島県はそれが、まだです。したがって、早急に整備する必要があります。


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