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by hiroseto2004
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新自由主義の抜本的総括と早急な審判を

新自由主義の抜本的総括と早急な審判を さとうしゅういち

急激な景気の後退と雇用情勢の悪化の中、麻生総理大臣は、2009年1月28日の施政方針演説で、「小泉構造改革路線」の放棄を表明しました。
「「官から民へ」といったスローガンや、「大きな政府か小さな政府か」といった発想だけでは、あるべき姿は見えないということです。」(総理官邸HPより)
なし崩し的とはいえ、「小さな政府論」は破綻した、と政府・与党も認めたのです。
 このこと自体は、前向きに評価は出来ます。しかし、あまりにも遅すぎました。

■新自由主義者が「政府紙幣発行」「政府紙幣発行」を言い出す怪 
さらに、「政府が直接お金を発行し、これを景気対策の財源にすべき」という議論がこの間、山本一太参院議員、菅義偉・自民党選対副委員長から出されています。
 私自身は、この「政府紙幣発行」は「非常手段としてはありえる」と考え、以前から検討すべきと主張しています。
日銀券の増発と違い、政府紙幣は、政府の財政支出を増やすことができます。また、国債を市中消化で発行する場合と違い、国債の利払いも生じません。公債費を増やすことなしに、景気対策を行える、魅力的な手段です。
この政府紙幣発行を「錬金術ではないか」と批判する人もいますが、そもそも、現代は管理通貨制度であり、昔のような金本位制度とは違い、「信用」によってのみ成り立っているものです。
 また、今の日本は深刻なデフレ状態にあります。失業者も多く出ています。土地など生産手段も余っています。ですから、お金を民間に政府から流すことで、生産が活発化し、経済がインフレなしに経済が活性化させることができます。テレビでの数少ない社会民主主義的な論客の獨協大学教授・森永卓郎さんも政府紙幣発行を主張しておられます。
 また、国民新党代表代行の亀井静香さんは、以前から「相続税免除の無利子国債」の発行を主張しておられます。亀井さんは、自民党時代から、社会民主主義的な経済政策を持論とされています。彼がこの主張をすることには納得できます。後で述べるように、日本中でお金は凍り付いています。とくに高額資産を持っている方のお金が凍り付いています。無利子国債を買っていただくことで、そのお金を政府が吸い上げ、低所得者や小泉純一郎政権で切り捨てられた地方のために使う、という亀井さんの主張は説得力があります。
しかし、今、この「政府紙幣」「無利子国債」を、新自由主義者の方々が多く主張しだしている、ということに違和感があります。彼らには、「なぜ、政府紙幣を検討せざるを得ない状況に日本が追い込まれたか」という認識が不足しているように思えます。
 
■お金は日本中で凍り付いている
 実を言えば、お金は日本中で凍り付いています。例えば、マネーストック(マネーサプライ(M3+CD))は、1985年1月に461兆7184億円でしたが、2008年1月には、1219兆6571億円と、約2.7倍に急増しています。
また、家計の金融資産と負債の差額は、1985年には423兆0982億円だったものが、2007 年には、1096兆4116億円で、この約四半世紀で、家計の純資産は2.5倍に増えています。家計は基本的には「本源的な貸し手」です。その家計が、銀行に預金をしたり、株式に投資をしたりして企業にお金を供給しています。家計が直接行うだけでなく、年金基金なども広い意味で、家計が企業にお金を貸している範疇に入るでしょう。
ところで、名目GDPは1985年には、323兆5412億円だったものが、2007年でも、515兆8048億円と、約1.6倍にしか伸びていません。
マネーストックを名目GDPで割った値を「マーシャルのK」といいます。この値が1985年ころは、1.4程度です。これが大きければ大きいほど「金回りが悪い」といえます。その「マーシャルのK」が、今はなんと2.4程度になっています。「マーシャルのK」が、もし1985年並の1.4で済むなら、今のマネーストックは730兆円程度のはずですが、実際のマネーストックは1200兆円以上あります。
このことから、500兆円近くのお金が「凍りついて」しまっていることが推測されます。銀行に預けられても、銀行もなかなか投資をしない。儲かっている企業も、内部留保を溜め込んでしまっているのです。また、日本は最近、貿易黒字こそ激減していますが、経常収支の黒字は続いています。
 もちろん、若者でも高齢者でも、貯金がないような人も多いのですが、しかし、一方でお金は「あるところにはある」のです。ただ、「お金持ち」といっても、マルクスやレーニンが想定するような「資本家」のような人はそうはいないのです。
 現代日本の場合は、たとえば大手企業を定年まで勤め上げ、年金も高額に保障され、貯蓄もかなりあるような人や、バブル期ないし、小泉政権のミニバブル期に土地を売った人などが、「一定の層」としてお金を貯めています。

■現役世代を苦しめる「年金社会主義」
さらに、以下のようなことがいえます。すなわち、安定成長に移行した今でも、比較的裕福な層(元大手企業幹部社員クラス)への年金を高度成長期並みに保証する必要に、年金基金は迫られました。そこで、企業の大株主となっているファンド(年金基金から委託を受けている)は、アメリカ的な高配当を企業に求めるようになったのです。このあたりは、先ごろ亡くなったドラッカーが「年金社会主義」という言葉で表現しています。
 そうした高額配当要求に対応するためにも、企業経営者(経団連)は、自民党に圧力をかけて、規制緩和を行わせ、非正規雇用拡大やサービス残業の放置などで、現役世代にしわ寄せをしている、という側面も否定できないと思います。
「非正規しか働き口がない若者が、職を失い、祖父母や両親のすねをかじるしかない」という光景がそこここの家庭でおきています。
もちろん、祖父母や両親に頼れる若者ばかりではありません。そうでない若者は仕事と家を同時に失う、という悲劇に今見舞われています。所属する企業や生まれた家に左右されず、生活できるような仕組みを整備しなければならないゆえんです。

■「大きな政府」で過剰貯蓄解消を!
 また、資産や所得が中間層でも、介護や医療、教育などのセーフティネットが日本では不十分であることから、どうしても個人で貯蓄して備える傾向が強いのです。ですから、「お前ら金を溜め込んでけしからん」と、高齢者たたきをしても仕方がありません。
 高齢者への政府による、セーフティネットはむしろ手厚くしたほうがよいとおもいます。なぜならば、介護や医療がしっかりしていれば、それだけ、当該高齢者の家族にとっても、リスクの低減になります。一方で、アメリカよりさえ、お金持ちに実質的に甘い所得税の累進性を高め、高齢者でも、お金がある人からはしっかり税金を頂くべきです。
「若者の雇用や子育て支援のために高齢者対策をカット」という意見もありますが、近視眼的な話です。現役世代が、女性ばかりでなく、男性でも大量に親の介護のために退職しなければならなくなる実情があることを忘れてはいけません。

■新自由主義の総括を総選挙争点に 
麻生さんは、そもそもは、小泉内閣でも総務大臣など重要ポストを歴任しました。そして、彼の権力基盤は、小泉純一郎さんが、新自由主義・ネオコン的なマニフェストを掲げて得た衆議院での300を超える議席です。
 ところが、麻生さんは、小さな政府路線を放棄するというのです。これを本気で行えば、小泉政治だけでなく、1981年頃のいわゆる土光臨調行革路線に始まる新自由主義路線から日本が反転することを意味するものです。
 これほど重大な「路線転換」を行うのに、国民の信を問わずに行う、というのは「無理筋」だと思われます。
また、昨日までは新自由主義者だった自民党議員たちが、いきなり景気対策のために、政府紙幣や無利子国債を発行しろ、といいだしています。
新自由主義への抜本的な総括をせずに、政府紙幣や無利子国債を発行したらどうなるでしょうか?おそらく、国民が求める社会保障などにはあまり回らず、大手企業の支援、お金持ち支援に大部分が消えかねません。たとえ、中間層に恩恵が及んだとしても、介護や医療などへの不安が減らない中で、お金だけばら撒かれても、財布の紐は緩めないでしょう。「マーシャルのK」が上昇しておしまい、になりかねません。さらに、それが行き場を失って投機に流れ、また、2007年頃の原油高騰に見られるような暴走をしかねません。
インフレの危険は今の日本では少ないと思います。しかし、新自由主義の総括がしっかり行われなければ、せっかくの景気対策によるバラマキも、中間層以上の人の金庫や銀行口座に、お金が凍りつくだけになりかねません。
とはいえ、2009年2月現在、自民党から共産党まで、各政党が一応、「小さな政府路線」は放棄しました。自民も民主も「構造改革」を叫んでいた数年前とは様変わりです。
労働者・国民は「新自由主義の放棄」を各政党が明確にマニフェストに掲げた上で、総選挙で国民の信を問うことを、求めるべきです。そして、基盤を新たにした新しい政権の元で、思い切った社会保障充実、所得再分配の強化などを断行させるよう闘いましょう。

 (2009年2月8日、生存のためのメーデー実行委員会IN広島事務局長)


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by hiroseto2004 | 2009-02-07 22:43 | 新しい政治をめざして | Trackback