赤木智弘さん「眼光紙背」を読む
2009年 03月 09日
赤木智弘さんは,2年前,論文「希望は戦争」で有名になったフリーターです。私と同じ1975年生まれです。
いわゆるワーキングプアの自分たち若い貧困層にとっては,戦争でしか,平等が達成されない,というわけです。当時,大変,議論を巻き起こしました。
その彼は,鋭い分析を続けておられます。
「【眼光紙背】政治的主張をするのは、おかしいのか?」
http://news.livedoor.com/article/detail/4001490/は,正論です。日本においては「男性のえらい人」以外は政治に口出しをするな,というのがまだまだ根強くあります。
女性政治家については,ちょっとしたことでも,「品がない」などと揶揄する人が多い。
そして,男性でも,庶民の労働者が声を上げたら,「政治的」と批判する。
「政治的主張というのは、いわば人間の主張であり、政治的だからと非難するのであれば、それは言論の弾圧にほかならない。
各個が利益を主張する中で、政治的に主張を行い、そればぶつかり合いながら社会がより良くなっていく。
政治的主張とは、個人が社会に対する責任を持ち、社会にアクセスするために必要な「信念」に他ならないと、私は考えている。」という赤木さんの主張は全くそのとおりでしょう。経営者も,労働者も,女性も男性も,対等に物事を主張する。そういうことが担保されないといけないでしょう。
【眼光紙背】子供を愛する親が増えたからこそ
http://news.livedoor.com/article/detail/4033759/
確かに記事のとおりです。小渕大臣は裕福な家庭に生まれられました。ですから両立が可能。そういうことはあります。
しかし,世間一般では,まだまだ,出産を機に退職する女性が7割いる。その後,仕事を再開するにしても,パートやアルバイト,派遣しかない。男性と同じ仕事をしていても,半分以下の給料にしかならない。教育費も高い。そういう状況にある人々にとり,却って,小渕大臣をみて,心理的なプレッシャーになってしまうのではないか,という赤木さんの主張はもっともです。
彼女のすべき仕事は,まさに,大臣としての仕事をきちんとなさることだと思います。その大臣としての仕事に,現役の母親として,女性や若者への「想像力」が働いたらいいわけです。
もちろん,彼女はそうはいっても,割合,若者や女性の当事者の意見を聴こうと努力もしておられるところは評価できるでしょう。自分に足りない部分を自覚はしているのではないか,とも思います。
文部科学省,厚生労働省,財務省,経済産業省・・など,関係する全ての省庁に横軸を通し「貧富の差によって子供の将来が決まってしまうような状況を変えていかなければならないだろう。」〔赤木さん〕なのです。
実は,日本は,今までは,親の収入による教育格差は,そうはいっても,他国に比べれば小さかったそうです(元文部官僚で,教育分野での国際協力に詳しい広島大学大学院・准教授・平川幸子さんによる)。ただ,現在の雇用情勢をかんがみるに,今後危うくなりかねない状況です。
そもそも,日本の場合,低所得者ほど教育費の家計に占める割合が大きいのです。「子どもを諦める」か,「無理をする」かの二者択一ともいえます。そうではない,選択肢を付け加えるべきだと思います。
赤木さんのおっしゃる方向での改革を進める先頭に立つのが大臣の役目でしょう。
3月3日(火)
~「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」第1回、第2回会合~
http://www.gender.go.jp/column/index.html また、工藤さんの「我が国では若者が政治や政策決定に参画することが少ない。投票を通じて、また、審議会等の場に若者の声が直接届かなければ、真に若者のための政策は生まれない。」という実感のこもった指摘が、当事者重視という私自身の日頃からの問題意識とも共鳴して、私の胸に響きました。〔引用終わり〕
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いわゆるワーキングプアの自分たち若い貧困層にとっては,戦争でしか,平等が達成されない,というわけです。当時,大変,議論を巻き起こしました。
その彼は,鋭い分析を続けておられます。
「【眼光紙背】政治的主張をするのは、おかしいのか?」
http://news.livedoor.com/article/detail/4001490/は,正論です。日本においては「男性のえらい人」以外は政治に口出しをするな,というのがまだまだ根強くあります。
女性政治家については,ちょっとしたことでも,「品がない」などと揶揄する人が多い。
そして,男性でも,庶民の労働者が声を上げたら,「政治的」と批判する。
「政治的主張というのは、いわば人間の主張であり、政治的だからと非難するのであれば、それは言論の弾圧にほかならない。
各個が利益を主張する中で、政治的に主張を行い、そればぶつかり合いながら社会がより良くなっていく。
政治的主張とは、個人が社会に対する責任を持ち、社会にアクセスするために必要な「信念」に他ならないと、私は考えている。」という赤木さんの主張は全くそのとおりでしょう。経営者も,労働者も,女性も男性も,対等に物事を主張する。そういうことが担保されないといけないでしょう。
【眼光紙背】子供を愛する親が増えたからこそ
http://news.livedoor.com/article/detail/4033759/
確かに記事のとおりです。小渕大臣は裕福な家庭に生まれられました。ですから両立が可能。そういうことはあります。
しかし,世間一般では,まだまだ,出産を機に退職する女性が7割いる。その後,仕事を再開するにしても,パートやアルバイト,派遣しかない。男性と同じ仕事をしていても,半分以下の給料にしかならない。教育費も高い。そういう状況にある人々にとり,却って,小渕大臣をみて,心理的なプレッシャーになってしまうのではないか,という赤木さんの主張はもっともです。
彼女のすべき仕事は,まさに,大臣としての仕事をきちんとなさることだと思います。その大臣としての仕事に,現役の母親として,女性や若者への「想像力」が働いたらいいわけです。
もちろん,彼女はそうはいっても,割合,若者や女性の当事者の意見を聴こうと努力もしておられるところは評価できるでしょう。自分に足りない部分を自覚はしているのではないか,とも思います。
文部科学省,厚生労働省,財務省,経済産業省・・など,関係する全ての省庁に横軸を通し「貧富の差によって子供の将来が決まってしまうような状況を変えていかなければならないだろう。」〔赤木さん〕なのです。
実は,日本は,今までは,親の収入による教育格差は,そうはいっても,他国に比べれば小さかったそうです(元文部官僚で,教育分野での国際協力に詳しい広島大学大学院・准教授・平川幸子さんによる)。ただ,現在の雇用情勢をかんがみるに,今後危うくなりかねない状況です。
そもそも,日本の場合,低所得者ほど教育費の家計に占める割合が大きいのです。「子どもを諦める」か,「無理をする」かの二者択一ともいえます。そうではない,選択肢を付け加えるべきだと思います。
赤木さんのおっしゃる方向での改革を進める先頭に立つのが大臣の役目でしょう。
3月3日(火)
~「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」第1回、第2回会合~
http://www.gender.go.jp/column/index.html また、工藤さんの「我が国では若者が政治や政策決定に参画することが少ない。投票を通じて、また、審議会等の場に若者の声が直接届かなければ、真に若者のための政策は生まれない。」という実感のこもった指摘が、当事者重視という私自身の日頃からの問題意識とも共鳴して、私の胸に響きました。〔引用終わり〕
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Tracked
from 出産一時金と出産手当て
at 2009-03-10 14:36
by hiroseto2004
| 2009-03-09 12:49
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