府庁移転を圧倒的多数で否決
2009年 03月 24日


大阪府議会は、24日、府庁移転条例案を賛成46、反対65、無効2、また補正予算案を賛成40、反対69、白票2の圧倒的多数で否決しました。
■討論内容は「オール野党」状態
今日の本会議では、「野党」第一党である民主党・井上章議員をトップバッターに、討論が始まりました。
井上議員は、国際児童文学館廃止条例に「全く納得できない」と、反対を表明しました。そして、府庁舎移転案にも反対の討論を行ないました。
次に、「与党」自民党の三田議員が橋下知事が提案する福祉医療費や小規模事業経営支援事業のカットを厳しく批判しました。府庁移転案を含め、賛成の意思を表明したものの、議論のトーンは一時、わたし自身、三田議員(登壇時に党派を名乗らなかったため)は共産党かと勘違いするほど、知事に批判的でした。
公明党は三浦としこ議員が登壇。「橋下与党」でありながらも、「国際児童文学館については、中央図書館への統合後も資料収集や保存などの機能を維持するべき」など、賛成する議案についてもかなり注文をつけていたのが印象的でした。
府庁のWTC移転については、「単なる不動産取引」「テクノポート大阪構想の焼き直しにすぎないのでは?」と疑問を呈し、「どんな効果が大阪に及ぶか、納得できる説明はなかった」とバッサリ。
府立大学検定料値上げ、補正予算案、府庁移転案の三議案に対し、反対の意思を表明しました。そして「賛成と反対の会派で差をつける」という橋下知事の発言を「暴論」「議会制民主主義を冒涜するもの」と非難して討論を終えました。
共産党の堀田文一議員が最後に登壇。「わずかな予算で大事な役割を果たした福祉施策をすべて廃止している。」と批判。橋下知事が提案している負担増案に対してなで斬りにしました。
そして、WTC移転案について、「知事は関空からは近くなると、自画自賛しているが、関空からさえも遠くなることが明らかになっている」、と厳しく突っ込みました。
もちろん、この共産党の堀田さんが一番細かく橋下府政に反対の論陣を張っていました。
しかし、今日の本会議では、堀田さんの討論がそんなに突出して過激に見えなかったのが興味深いところです。
しかし、共産党以外の各会派についていえば、民主党が児童文学館廃止条例に反対、公明党が府立大入学検定料値上げに反対した以外は、全ての議案に採決では賛成していました。
共産党も136ある議案のうち80議案には賛成していました。まあ、どの議会でもこんなものでしょう。
■「3分の2賛成」どころか、「6割反対」
橋下知事の府庁移転案について、成立ラインの3分の2の賛成が確保できるかどうかが焦点でした。
ところが、ふたを開けてみれば、補正予算にたっては、賛成がわずかに40。反対が69と、反対派が6割以上に上りました。大阪府民の86%が反対というパブコメ結果の方向性とも一致しました。
たしかに、議会側が、採決方法を無記名にしたということは「府議が、政治家としての信念を知らせない」という意味では、問題があります。
しかし、公明党の三浦議員が指摘したように、「会派に対しては、議案の賛否により、対応を変える」という趣旨の橋下知事の発言が、議会をそうさせてしまったともいえます。
もちろん、国政でも府政でも今までは、散々「与党」として、優遇されてきた公明党のあなたが、いまさら言うな、駆け引きの材料でしょうが、と突っ込みたくはなりますが・・。
■もう「1年生ではない」知事・・厳しくなる府民・議会の目
橋下知事も最初の一年は、ともすれば、過激な発言がマスコミでも持ち上げられてきた傾向があります。まだ「実績」を形にする余地が少ない「一年生」ならそれも通用するかもしれません(∵予算の大枠は前知事が決めているから)。
しかし、もう「一年生」は終り、この2月議会からは、「二年生」に進級しました。これからは「言葉」よりも「実績」が問われてきます。
今回の府庁移転騒動では、そういう状況の変化を橋下知事も読めなかった感じを受けます。
「自分は、選挙で180万府民の支持を得たから少々強引なことでもみんなついてくる」といわんばかりの態度も目立ちました。しかし、今回は、府民からも議会からも「NO」を突きつけられたのです。厳しく自己反省していただきたいと思います。
「府政の潮目」の変化となるかどうか?今後に注目したいと思います。

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by hiroseto2004
| 2009-03-24 02:41
| 大阪府政
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