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by hiroseto2004

北朝鮮・人工衛星迎撃は「宣戦布告」に! 横原 由紀夫

北朝鮮・人工衛星迎撃は「宣戦布告」に!
―ソマリア沖自衛隊派遣は憲法違反、人工衛星迎撃は準戦時体制へ―

                                横原 由紀夫

 Ⅰ ソマリア沖自衛隊派遣は憲法違反

 ソマリア沖海賊退治を目的として、3月14日、呉から海上自衛隊護衛艦2隻が出港した。政府は、自衛隊法に基づく海上警備行動を拡大し武器使用も拡大するために「海賊対処新法(案)」を国会に提出した(憲法で禁ずる海外における武力行使)。しかも、国会の承認は不要となっている。この動きから見て取れることは、海賊という犯罪行為を口実として、自衛隊をいつでも海外へ派遣(兵)するための「法体系」作りと武器使用規準の拡大を真の目的として動いている、と考えられる(実績を積んで実質的に憲法を改定する路線:実質改憲)。ソマリア沖海賊対処に対する論考は、既に、多くの論者が述べているので、簡潔に問題点を述べるに留める。
 「ソマリア沖への海自護衛艦派遣」と「海賊対策新法案」には反対である。その理由は、(1)法律違反(自衛隊法82条「海上警備行動」その他に反する)・憲法違反(海外での武力行使であり、自衛権を超えた軍事力の海外派兵)であること、(2)憲法の平和主義に反する「海賊対策新法」策定の動きに反対である、(3)憲法の平和主義に基づいた「非軍事的対応」を速やかに行うこと(字数の関係で詳細に記すことは出来ないが、海賊行為を廃絶するためには①ソマリアの治安・秩序回復に向けた民生支援、②ソマリア周辺国の海上警備活動強化のための民生支援・協力の実施等などが真の有効な対策である、と考える)。
 以上の3点<(1)~(3)>をきちんと議論して対策を考える責任が政府と政治家にある、と指摘するに留める。
 
 問題は、北朝鮮の「人工衛星」打ち上げ宣言に対する政府の対応とマスコミ各社の“北朝鮮悪玉論”を煽る風潮である。2月末からの新聞記事は、“北朝鮮ミサイル迎撃も視野:防衛省方針、北朝鮮ミサイル発射の狙い、ミサイルに防衛課題山積み、衛星といえども弾道ミサイル開発に直結・制裁必要、秋田・岩手に迎撃弾配備へ、迎撃態勢閣議決定へ・・”と日を追ってまるで戦争前夜のような報道が続いている。
 このような状況は非常に危険な道を歩んでいると断じざるを得ない。感情的に動くのではなく、冷静に問題の本質を見極め対応すべきである。以下、問題点を提起する。

 Ⅱ 人工衛星迎撃は宣戦布告に等しい

 私は、朝日・中国の社説を毎日読んでいる。社説は、新聞社の基本姿勢が表れるし、読者は物事の判断の指標として受け止める確率が高いと思われるので、関心が強くある。朝日・毎日の社説に関しては、既に、浅井基文平和研究所所長がコラムで書いておられる(第3者から送ってこられた)。私も浅井所長のコラムには賛成であり同じ意見を持つので、そこから社説の趣旨を引用させてもらう(以下、列挙してみる)。
 「人工衛星でも容認できない(2/27付け毎日)」、「北朝鮮ミサイル<ロケット>は通らない(朝日)」、「弾道ミサイルも衛星用ロケットも基本的には同じ技術によって飛ぶ(毎日)」、「誘導装置を備えたロケットがミサイルに他ならない(朝日)」、「北朝鮮が・・ミサイルだけを発射し、人工衛星の打ち上げに成功したと再び虚偽の発表をする可能性も排除できない(毎日)」などなどである。
[註]:再び虚偽の発表とは-“98年に北朝鮮が人工衛星を発射し成功・・と発表”したが、日本はこれを認めずミサイル発射とした。米国などは“小型の人工衛星を打ち上げたが失敗では・・”と認め大騒ぎせずに冷静に対応した。ちなみに私は、2000年に共和国の招待で平壌を訪れた際、「アジア・太平洋平和委員会」の書記長から面談を求められた。その際、率直に語ることが真の交流だと考え、「日朝国交正常化の早期実現を求めている」ことを基本的主張とし、「拉致問題解決」、「テポドン発射について」など等数項目にわたって問題提起と正常化への努力を要請した。“共和国が人工衛星発射とされるのであれば、ロケット打ち上げに関しては国際条約があり、関係国際機関に事前通告をしなければならない。98年のように無通告発射では国際条約に反する行為である。日本上空を飛行したことで日本人の感情は悪化している。国際条約を遵守されるよう要請する・・”との趣旨を述べた。書記長からは“上部に伝える”と返答があった。02年9月の小泉訪朝、日朝平壌宣言とつながった。

 社説の見出しと趣旨を見る限り、マスコミ各社には“北朝鮮に対する嫌悪感”が満ちている。“北朝鮮悪玉論”を煽りバッシングを行い、国民意識を“北朝鮮は悪い国だ、脅威だ”と誘導しているとしか思えない。政府と政治家に迎合し感情的対応でしかない、と考える。これでは、国交正常化や拉致問題解決は程遠くなり支障ともなる。
 北朝鮮が「人工衛星」打ち上げと国際社会に通告しているにも関わらず、ミサイルで迎撃し打ち落とす(筆者は迎撃不能と考えるが)行為は、立場を変えて考えれば「宣戦布告された」と受け止められても仕方がない(これで戦争になるかどうかは疑問だが、正常な2国間交渉は不可となる)。

 Ⅲ 宇宙の平和利用は各国平等な権利

 1 国際宇宙条約は平等の権利を規定
 「宇宙条約」は1966年12月、国連総会で全会一致で採択された。“月その他の天体を含む宇宙空間の探査・利用は(平和目的に限定)、すべての国がいかなる種類の差別もなく、平等の基礎に立ち、かつ、国際法に従って、自由に探査し及び利用することができるものとし・・・”、と規定している。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、今回、「国際宇宙条約」に加入し、国際機関に通告し必要な資料(航空機、船舶の航行安全にとって)を伝えている。北朝鮮のロケット打ち上げだけに反対する権限を日本は持っていない。日本のロケットは良くて北朝鮮のロケットは悪いと言う主張は、明らかに差別であり宇宙条約に反する行為である(米国、中国、ロシアその他のロケット打ち上げに反対し、日本も打ち上げ中止をするというのならともかく)。
 伝えられるところによれば、北朝鮮の人工衛星打ち上げに関して、中国もロシアも制裁・非難決議には反対であり、米国も中国の主張に異論を唱えていない。
 2 感情的な対応は止めて冷静な理性的な対応を!
 北朝鮮の人工衛星打ち上げ通告に対する日本の対応(政府・政治家、マスコミなど)は、余りに感情的に過ぎる。このような対応が朝鮮半島の緊張を一気に高め、日本が迎撃ミサイルを発射すれば極限状態に達するだろう。そんなことになれば、北朝鮮の軍事的な動きを誘発する結果を招き、今まで積み上げてきた「日朝平壌宣言」「国交正常化交渉」「六カ国協議」の場すら崩壊し拉致問題解決・国交正常化は破壊され、日本は国際社会から批判を浴びるだろう(戦前に、軍部を中心とする体制が採った孤立主義路線・戦争への道を思い起こすべきである)。
 3 東北アジア・朝鮮半島の緊張を高めるな!
 北朝鮮にとっての脅威は(特に軍事的に)、「米韓軍事演習」の継続であり、日米軍事一体化による対北朝鮮圧力であり、日本の経済制裁拡大である。北朝鮮に軍事的・経済的圧力をかけ続け孤立化を深めてきた事が(ありもしない北朝鮮の脅威を煽り立て)、結果として「核実験」(外交手段としての)につながっている。北朝鮮の「先軍政治」は、日米韓の強圧的な政策が招いた結果である。日本が真に戦前の軍部独裁体制と戦争遂行を反省するのであれば、そして戦争を否定するのであれば、北朝鮮を追い詰め朝鮮半島の緊張を高めるような強圧的政策は採るべきでない。日朝平壌宣言を基礎に対話による交渉路線を軸にして緊張緩和路線を歩み「六カ国協議」の場を東北アジア平和構築・安全保障体制構築に向けて活用すべきである。これによってのみ、日本の「平和と安定」が実現し経済的な安定も実現可能となる(日本が攻めない限り、日本を攻めてくる国はない)。今こそ真剣に討論を起こすときである。

 Ⅳ むすび

 マスコミの社会的役割は、いたずらに感情的に不安や脅威を煽り立てることではなく、市民が冷静に客観的に判断するための材料・規準を指標として示し問題提起することではなかろうか。そして、一方的に走り過ぎる政府・権力者にブレーキをかけることである。権力批判がないマスコミは存在価値を失う。また、私たち市民運動もその時々に表れる現象に対応するだけでなく、その現象が起きる事の本質を探る議論を活発に行い(例えば、海賊対策の自衛隊活用問題も北朝鮮対応も、以前提起した「防衛戦略研究会議・報告書」でその方針は出されている:詳しくは「東北アジア情報センター会報第7号の拙論」)、可能な限り開かれた討論の場で変革するための行動を考えることが求められている。
 市民の生活が平和的で安定するかどうかは、政治のありようで決まる。政治改革こそが今、最重要課題である。
(09年3月26日  第9条ヒロシマの会・世話人)

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by hiroseto2004 | 2009-03-26 20:25 | 読者投稿 | Trackback