「ホワイト企業」として有名な「富士そば」が、飲食店ユニオンの組合員が在籍する店舗の閉鎖を強行し退職強要するというブラック企業さながらの悪質な「ユニオンつぶし」を行おうとしています。飲食店ユニオンは、労働者の雇用と生活を守り、また労働者が声を上げる権利を守るため、「富士そば」のこの「ユニオンつぶし」に強く抗議します。

◆飲食店ユニオン組合員在籍店舗を狙い撃ちした店舗閉鎖と退職強要


 飲食店ユニオンは、富士そばと、シフトカット分の給与補償や店内での感染対策の充実についてこの間交渉し、富士そば全従業員(組合員以外の従業員も含めてです)の全額給与補償と、富士そば全店における感染症対策の実施(ビニールシートの設置や食券手渡しの禁止など)で合意しました。

しかしその直後、富士そばは組合員在籍店舗の閉鎖(一時的な休業ではなく恒久的な店舗閉鎖です)を決定し、従業員に対する退職強要を始めました。声をあげた飲食店ユニオン組合員を狙い撃ちにしているとしか思えません。

富士そば側は「他店舗での就業という選択肢も提示している」として、退職を「強要している」わけではないといいます。しかし、他店舗での就業条件について聞くと、「異動先は遠方になるかもしれない」「どの店舗も人員過剰状態なのでシフトの確保は難しいかもしれない」といいます。ユニオンから「シフトに入れない分は給与補償するつもりか」と問うと「シフトに入れないのに給与補償しろというのは虫が良すぎる」と言い放ちました。使用者都合でシフトに入れなくなる場合には、当然使用者側に給与補償の義務が発生します。逆にいえば労働者の側には給与補償を受ける権利がありますが、この正当な権利行使を「虫が良すぎる」としたのです。むしろ、労働者の雇用や給与への企業責任を完全に放棄しようとしている富士そばの方こそよっぽど「虫が良すぎる」のではないでしょうか。

シフトや給与が大幅に減少することをチラつかせながら「他店舗での就業という選択肢もある」というのは欺瞞です。実質的には退職を強要しているといえるでしょう。


 これは富士そばによる「ユニオンつぶし」の店舗閉鎖・解雇であるとしか考えられません。労働組合への加入や労働組合活動を理由に、その労働者に対して解雇など不利益取り扱いをすることは「不当労働行為」といって違法行為とされています。富士そばの今回の店舗閉鎖・解雇は、まさにこの不当労働行為だといえましょう。こんなことを許していては、労働者はますます声を上げられなくなります。飲食店ユニオンは、この富士そばの店舗閉鎖・解雇に対して強く抗議し、撤回を求めます。

しかもさらに悪質なのは、富士そばは、週20時間以上働いており法的には雇用保険に加入させなければならない組合員を雇用保険に加入させていないのです。これでは解雇されたのちに失業保険を受け取ることもできません。雇用保険に加入させることなく組合で声を上げたら失業に追い込む、労働者の生活をなんだと思っているのでしょうか。


◆労働者が安心して声をあげられる社会に


 富士そばで働く組合員は突然シフトを大幅に減らされ、給与は10万円前後にまで急減し、今後の生活に大きな不安を感じていました。従業員たちは、マスクを外して食事をするお客さんの飛沫を被り感染の恐怖におびえながら働いていました。このような生活不安・困難や感染リスクへの対応を会社に求めることは悪いことでしょうか?解雇されねばならないことでしょうか?

そうではないはずです。

労働者がもっともっと声を上げやすい社会にするために、コロナウイルスの影響が広がり、多くの労働者が大変な状況に置かれている現状を少しでも変えていくために、飲食店ユニオンは店舗閉鎖・解雇の撤回を目指して徹底的に闘います。ぜひ皆さんご支援よろしくお願いいたします。