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by hiroseto2004

タグ:核廃絶 ( 10 ) タグの人気記事

広島ブログ

8月6日夕方、広島市中区で、「8.6ヒロシマ平和の夕べ」が開催されました。
被爆70年、戦後70年にあたり、広島と沖縄の活動家やミュージシャンらから、講演や演奏が行われました。

また、福島県の井戸川前町長のお話もありました。




このイベントで秋葉忠利・前広島市長が「「宿題」と「夢」 未来を先取りして今を変えよう」というタイトルで講演をしました。


アメリカ留学で「原爆正当化」授業に衝撃

秋葉さんの平和への取り組みの原点は、AFSによるアメリカへの留学でした。
当時のアメリカでは、原爆を正当化する授業をしており、原爆を正当化する人が圧倒的におおかったのです。
クラスでも多勢に無勢、英語力も不十分、知識不足で、原爆を正当化する友人や先生に対抗できませんでした。
被爆の実相をきちんとアメリカ社会に伝えられることなど、AFSで与えられた「宿題」だと考えたそうです。

秋葉さんは「夢」と「目標」の違いについても説明。期限を切らない目標は「夢」に過ぎないと指摘しました。
たとえば、日本の外務省が良く言う「究極的目標」としての核廃絶は、やる気がないということなのです。

秋葉さん自身は、多くの目標をつくって実現してきたと振り返ります。

たとえば、国会議員にはノーベル平和賞の推薦人の資格があるので、実際に、被爆者、そして広島市長を国会議員
になったさいには推薦したそうです。

アメリカという国は、立派な人を生んだ面、「パールハーバーが先だ」「原爆投下は正しい(1945年9月は90%、現代は56%くらい)」などを信じている人が多い、進化論を信じていない人が過半数、銃保持が憲法で保障されていると思い込んでいる人が多い、貧富の差が大きいなどの特徴があり、そうした複雑な社会を踏まえて世論を動かすことが核廃絶へむけて大事だ、と指摘します。

海外から8.6に記者を招待する「アキバ・プロジェクト」を実施。記事を3本書くことが条件で、記事の内容には干渉しないというものです。いろいろな反応があったそうです。とくにアメリカでは批判的な反応もあったが、大変良い内容の記事がたくさん出たそうです。

被爆者の持つ抑止力=メッセージを残そう

もちろん、まだまだやることはあると、秋葉さんはいいます。

 「大事なのは、被爆者のメッセージを残すことだ。」と指摘。
 
 1999年に市長当選後初めての平和宣言は地縁・血縁のない「非被爆者」として、被爆者に感謝する内容にしました。
 
 この平和宣言で秋葉さんは、1、死を選んでもおかしくはない状況で生き続けたこと、2、三度目の核兵器使用を防いだこと、3、復讐や敵対を捨てて、和解という哲学、具体的には「こんな思いを他の誰(敵も含む)にもさせてはいけない」という哲学をつくりだし実践したこと、をほめたたえたのです。

秋葉前市長 被爆70年 「未来を先取りして 今を変えよう」_e0094315_21305720.jpg
2番目の「三度目の核兵器使用を阻止した」ことは、ジョン・ハーシーが言い出したことです。「核抑止力は核兵器ではなく被爆者だ」と1985年に述べています。

ただ、被爆者が高齢化していくなかで、核抑止力を持っている人がいなくなると、核兵器がつかわれかねません。過去を覚えていないものは、過去を繰り返しかねない、ということになります。

この70年目にやらなければならないのは「ヒバクシャの抑止力」を劣化させずに未来につながないといけないのです。

 秋葉さんは国内の48大学、海外の17大学で広島・長崎講座をつくってもらうよう働きかけました。
学問的に整理すること、そして、ユダヤ人に対するホロコースト並みの共通認識にしてもらうことを目指しました。

 いま、「安全保障のために強制収容所が必要」と言ったら正当化したらおかしいと思われるが、「安全保障のために核兵器を持つ」ということは、少なくない国が現に正当化しているのです。ホロコーストと同じようには原爆についての理解が進んでいないのです。知的・情緒レベルで共有化をすることをすべきです。

再検討会議、マスコミ報道に惑わされるな

 「最終文書が採択されず、被爆地訪問が実現しなかった」という報道の仕方では、核兵器廃絶に近づかない、と秋葉さんは指摘します。

歴史を振り返ると、
1995年の再検討会議では、無期限延長で条約を無力化しようと核保有国はしました。しかし、2000年に「核兵器廃絶への明確な約束」を盛り込んだのです。2005年には最終文書は採択できず。2010年「核兵器禁止条約」や期限に言及、しかし、2015年には採択されませんでした。最終文書が採択されたとしても、その後5年間、無視されて何もできないことが多いのです。

「最終文書が採択されにくい」のは、ほんの一握りの国が核兵器に固執するために廃絶できないのせいなのです。
「しょうがない」とあきらめてはいけないのです。しかし、それでも、徐々に世界はよくなったのです。
ですから、世界的な構造をつくるのが大事なのです。

 今回の日本の被爆地訪問への提案は「アリバイ作り」です。すでに2009年にオバマ大統領の広島訪問の打診があったのに断ったのは日本の外務省です。そうした官僚主義をきちんとみないといけない、と秋葉さんは指摘します。

 世界は動いているが、「日本政府は、情けない。」それを変えよう、と秋葉さんは呼び掛けます。

その時に役立つのは、第一に、法の力を使うことです。世界でもあちこちでこうした動きがあります。核廃絶の方向を示す法律は、部分的核実験禁止条約(1963)、NPT(1968)、ICJ勧告的意見(1996)、CTBT(1996)があります。

2014年から今年には、核廃絶へ向けて国際法を活かす動きが世界で起きています。2014年、マーシャル群島共和国が核保有9か国(米ロ英仏中印パイスラエル、北朝鮮)をNPTを根拠に核兵器廃絶へ交渉するよう、提訴しています。
同じ2014年のスコットランド独立運動の目的は、イギリスからの核兵器廃絶です。イギリスの核はスコットランドにしかないので、スコットランドが独立し、非核化すれば、核兵器はイギリスからなくなるのです。
秋葉さんは「スコットランドでできることが、日本でできないわけがない」と訴えました。

周回遅れの日本政府

しかし、情けないのは日本政府です。

2013年NZ提案の共同声明に4月当時は署名を拒否しました。10月には署名しました。
2014年オーストリア提案の誓約にも署名しましせんでした。
岸田外務大臣への批判が十分上がっていないことが理由です。
秋葉さんは
「ヒロシマの政治家は、党員であるよりもヒロシマの政治家であることを優先させるのが最低の義務だ。それをしない政治家への批判がなぜ上がらないのか。」
と問いました。
「ヒロシマの重みと歴史は、忠実に果たさなかったら代議制民主主義の意味はない」ときりました。
「もっと、(岸田外相への)大きな批判の声があげられないといけない。」
と指摘しました。

一方で秋葉さんは
「日本が誤ったのは昨日、今日ではない」
と指摘。

第二次世界大戦は、
「日本は、帝国主義、差別主義を推進したヒットラーに味方してしまった。世界の多くの国は、帝国主義を自分たちもやっていたが、ヒットラーに対抗するために民主主義、自由主義を掲げていた。日本は、ヒットラーを選んでしまった。世界が捨てようとする帝国主義、差別主義を選んでしまった。そして、その結果、たくさんの人が死に、苦労することになった。それと似たことがいま、起きようとしている。」
と指摘しました。

そして、
「欧州連合やスコットランド独立、国際司法裁判所が次世代のモデルだ」
としました。
「アメリカ一辺倒の外交は、力の論理に頼っており、対ロ、対中、対北朝鮮外交でも、相手の土俵に乗って、力の支配による政治を続けている」
と批判。
日本は「周回遅れだ」と指摘しました。

 その周回遅れの例として「戦争の犠牲はすべての国民がひとしく受忍しなければならない。」などという30年以上前の有識者による答申
を挙げました。国は文句を受け付けず、不法行為の責任や賠償はしない、というものです。

 ただし、福島については「平時」なので、上記の政府の論理も、福島の被災者の権利を認めさせる根拠にもなる、そして、ヒロシマとフクシマ、一般戦災者の連携が可能になるとも秋葉さんは指摘しました。

公務員の憲法遵守義務、天皇だけに任せてはだめだ

集団的自衛権は「前文違反、9条違反、96条違反であるが、99条違反であることが最も大事だ」と指摘。
そして、内閣も国会も、裁判所も憲法を守らない時でも天皇は憲法は守らなければならないので、いまのようなときこそ、99条の真価がでると指摘。

そのうえで「天皇だけにがんばらせてはだめだ。国政を動かせるわたしたちががんばらないといけない。次の参院選が大事だ」と締めくくります。
 
 




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by hiroseto2004 | 2015-08-06 22:08 | 反核・平和 | Trackback
第5回ヒロシマアキバ塾
http://hiroseto.exblog.jp/18942125
第4回ヒロシマ・アキバ塾
http://hiroseto.exblog.jp/18753008

第6回ヒロシマ・アキバ塾、いよいよ明日・10月18日(木)です。

日時:10月18日(木) 19時から
場所:広島YMCA4F
参加費:500円
by hiroseto2004 | 2012-10-17 06:35 | 広島県政(広島県議会) | Trackback


                 [転送・転載歓迎/重複失礼]

発売中の月刊『文藝春秋』2011年1月号に、能勢伸之(フジテレビ解説
委員)、岡部いさく(軍事評論家)両氏による論文

「オバマの切り札 核を無意味にする超ド級ミサイル」

が掲載(374ページから)されています。2010年2月発表の米国QDR
(4年ごとの国防戦略見直し)に既に書き込まれていた「CPGS」(全
地球規模即時打撃構想)という新兵器開発の現状が詳しく検証され
ています。具体的には、現在のICBM(大陸間弾道ミサイル)のよう
な長距離ミサイルに、精密誘導を行う非核弾頭を搭載することが考
えられているようです。地球上のどこでも1時間以内にピンポイント
攻撃できることが目標とされています。

筆者たちは、ロシアが既に対策を打ち出しつつあることも紹介しな
がら、CPGS兵器が先制攻撃の敷居を下げ、現状の「核抑止」を変
貌させる可能性を指摘。また、新兵器開発が日本の安全保障に及
ぼすかもしれない影響についても言及しています。米政府は昨年12
月13日、CPGSの研究開発に2011会計年度から5年間で10億ドル
(約834億円)を「大幅に上回る」額を投じる計画だと表明しました
(12月14日、共同)。

筆者たちの立場はこうした兵器に反対するものではありませんが、
現状の解説としては有益な論文だと思います。機会があればぜひ
ご一読されてはいかがでしょうか。

なお、田中利幸さん(広島平和研究所)も、ピープルズ・プラン研究
所発行の『季刊 ピープルズ・プラン』最新号(52号)所収の論文「20
10NPT再検討会議の結果とオバマ政権の核政策批判」で、このC
PGS兵器開発を厳しく批判されています。併せてご紹介します。






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by hiroseto2004 | 2011-01-07 07:41 | 反核・平和 | Trackback
毎日新聞
ニューストップ社会ニュース社会総合9月27日記事
2010年9月27日 21時34分 (2010年9月27日 22時28分 更新)
<ヒロシマ五輪>市が基本計画案公表 総事業費を大幅圧縮

マラソンの発着点となる平和記念公園=広島市中区で、本社ヘリから西村剛撮影
[拡大写真]

 広島市は27日、招致を検討している2020年夏季五輪(ヒロシマ五輪)の基本計画案を明らかにした。総事業費は4491億円で、28競技37会場のうち17会場を仮設とするなどして経費を大幅圧縮。「平和五輪」の理念に賛同する国内外からの寄付なども見込み、市の財政負担額を52億円に抑制する。会期は「原爆の日」に配慮し、8月7日からの17日間。28日の市議会全員協議会で、秋葉忠利市長が正式に公表する。

 秋葉市長は今年8月6日の平和宣言などで、五輪招致への意欲を繰り返し述べているが、同市は招致検討委員会を開催して、年内に立候補するかどうかの結論を出す予定。20年五輪には、16年の招致に失敗した東京都も立候補を検討しており、日本オリンピック委員会(JOC)は11年夏までに国内候補地を絞り込む。

 

続きはこちらをどうぞ!
by hiroseto2004 | 2010-09-28 00:24 | 広島市政(広島市議会) | Trackback
平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_17565383.jpg

平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_17565348.jpg

「広電方式」で名高い私鉄広電委員長でもある佐古正明さんが挨拶。
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平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_17565344.jpg

平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_17565321.jpg


今日1月27日は、アメリカが1951年にネバダで核実験を始めた日です。

12時15分から、平和公園慰霊碑前で座り込みがあり、参加しました。

1984年に、全米各地で反核集会が開かれたのに呼応し、広島県原水禁も、国際連帯行動として慰霊碑前で座り込みを実施。

その後もこの日にずっと取り組み続けています。

【追記あり】
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平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_8182175.gif

以下の与党各党も参考に
平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_8172468.jpg

平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_813122.gif

平和公園で、ネバダ・デー座り込み_e0094315_815116.gif

「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
by hiroseto2004 | 2010-01-27 17:56 | 反核・平和 | Trackback
核兵器は廃絶できるか?(まとめ編2)
―オバマ大統領を呼ぶには覚悟が必要―

                                横原 由紀夫 

<はじめに>

 今年4月5日、オバマ大統領が「核兵器なき世界」を究極の目標とする包括構想を発表した(プラハ演説)。この演説をうけて日本国内には“オバマ演説に対する絶賛の声”が
溢れ、広島招聘の声が沸き起こった。“オバマ大統領を広島へ”の呼びかけは、広島市長、
著名な被爆者、被爆者団体、中学生などなど・・。

 今秋には、ノーベル平和賞がオバマ大統領へ授与された。オバマ演説の内容に対する問題点と批判は、東北アジア情報センター会報11号(09年6月1日発行)の拙論を参照されたい。オバマ大統領のノーベル平和賞受賞は、“核軍縮の実現に対する期待感の強さ”の表明であり、オバマ発言を後押しする意図の表れであろう。核超大国の政治リーダーとしての発言力の大きさを改めて認識した。
 だが、私は、今回のノーベル平和賞には違和感を持つ。もともと、ノーベル平和賞は政治的意図が強いと思っているので評価はしないが(過去の平和賞でも違和感を持った例は多い)。オバマ大統領の「核兵器なき世界」への呼びかけは、“核兵器廃絶”を国際政治の場における現実的な課題として浮上させた意味は大きいが、その一方で、米国が起こしたアフガニスタン戦争・イラク戦争は大量の犠牲者と被害者、難民を生み出しテロ行為の頻発を招いている。しかもオバマ大統領は、アフガニスタンへの米軍増派を明言し戦争継続による混乱をパキスタンにまで及ぼしている。米国の行為によって大量の血が流され続けているという現実を無視した“ノーベル平和賞”にどんな意味があるのであろうか。

 オバマ大統領を広島へ呼ぼうという声は、善意からの思いであり素朴な感情の表れである。そのような善意と素朴な感情には私も同意するが、しかし、果たしてそれでよいのか?という疑問と問題意識を持つ。オバマ大統領が広島を訪問したからといって核兵器廃絶の速度が速まるわけではない(オバマ大統領一人の力で核兵器廃絶ができるほど簡単な問題ではない、ことは自明の理)。現職の米国大統領が平和公園原爆慰霊碑に献花する行為が何を意味するのか、について深く考えてみることが大切ではなかろうか。アジアの人々は何を思うのか、米国内では何が起きるのか・・、それがもたらす影響までをも考慮しなければならない。

 10月、広島市長は突然、“2020年広島でオリンピック開催”を発表し動き始めている。私はこの考え方にも違和感を持つ。言うまでもなくオリンピックは、過去の一時期
を除いて、“商業主義”の垢にまみれ平和の祭典ではなく“国威発揚”の場として政治的に利用される場となっている。被爆地で開催するから意義があるという人が多いが、100億円もの税金を費やして招致運動をする意義が本当にあるのであろうか?市民が大いに議論すべきである。その場限りの「平和」を謳うことに大した意味があるとは考えないし、被爆地の聖地化という発想はますます心地よい被害者意識を醸成することになるのではなかろうか(被害しか強調しない日本人に対する批判的ことば:誰の言であったか)。被爆地といえども被害と加害がセットになっていることを忘れてはならない。

Ⅰ 「テロ」への恐怖から出された核軍縮論

1 テロ脅威論は米国の対外政策の誤りが起因

 2008年から急速に動き出した“キッシンジャー氏ら米国元政府高官(4人)”の提言は、核兵器をテロ組織が取得し使うのではないかとの恐怖から発したものであり、核拡散拡大の懸念から出されている。そうであるならば、本来的には、直ちに核兵器を廃絶するための措置(例えば、強制力を持った「核兵器即時廃絶条約」など)を提言すべきであるが、核抑止力そのものを否定しているものではないので非人道的兵器の廃絶と戦争根絶という発想がその根っこにない、ということを認識しておく必要がある。それでも、核軍縮が進むことは歓迎すべきとの声もあるが、核抑止論そのものが否定されての結論でない限り、私たちが求める「真の核兵器廃絶」には遠いと言わざるを得ない。米国が「悪の枢軸」と決めつけた北朝鮮、イランの核開発(イランはまだ製造していないが)を止めることを目的として動いているが、核拡散のそもそもの原因は米国の対外政策にある。

 ブッシュ大統領時代に北朝鮮、イランなどを悪の枢軸と決めつけ、米国一極主義政策に基づく“予防戦争論:先制攻撃論”がその根本的な原因である(米国の起こしたイラク戦争を教訓として「米国に対抗するためには核武装が必要」との論もあるが、イラク戦争の口実と真の狙いを考えると「核武装対抗論」は一面的な発想である)。北朝鮮の場合は、90年代米国による北朝鮮軽視と圧力(軍事的圧力、経済的・政治的制裁)に対抗する手段としての核開発である。また、米国が一貫して採り続けてきた中東イスラム圏に対する政治的・経済的圧力(自国の利益のためにのみ利用する:イスラム圏への抑圧・軽視・蔑視など)の基本政策とイスラエル擁護(イスラエルは善、イスラムは悪)の基本政策に問題の根源がある(テロの大きな要因は、抑圧・弾圧政策と軽視・蔑視に対する反発がその根本にあると考えられる)。
 米国の対外政策を根本から見直して共存・共栄・協力を原点とする対話路線への転換は緊急かつ重要な課題である。

2 何が問題なのか
(1)オバマ大統領の発言が実行できるか?

 「核兵器なき世界」に向かって確実に歩み出すためには、米国議会(とりわけ上院)の動きが鍵を握っている。現状では、オバマ発言をすんなりと受け入れる状況にはなく、議会の反発は根強い。また、軍部の反発は強く“大統領が何を発言しようと我々は戦争に備え勝つために任務を果たす”という軍人の発言に象徴されている。
 第2の問題は、米国内世論の動向である。米国内は金融危機・経済危機の中で失業率が10%を越え、生活困窮者が増えている(このような状態が改善されることなく続くと、暴動すら起きかねない事態を招く)。
 緊急かつ重要な課題は、イラクはもちろんアフガニスタンから早期に撤退することであり(米軍増派では泥沼に落ち込む)、軍事費を削減して社会保障と経済活性化などに振り向ける政策に転換することである。このまま推移すれば、来年の中間選挙で民主党は敗北し、オバマ大統領の再選も危うい)。

(2)米国の財政・経済危機の克服が課題

 現在、国際基軸通貨として役割を果たしてきた「ドル」は崩壊に向かって進んでいる。ドルが基軸通貨としての地位を保ってきたのは米国の巨大な国内総生産と強大な消費市場に支えられてきたからであり、米国はドルをどんどん印刷していれば良かった。しかし、80年代以降、経常収支の膨大な赤字と財政の赤字(現在は、約120兆円もの赤字)を抱え危機的状況は深刻化している。かつては、日本が“米国財務省債(国債)”を買うことでドルを支え、現在では中国が最大の債権国になっているが、それも限界にきている(米国に追随するのは日本だけで、ロシア・中国をはじめ非米・反米諸国が力を強めEUも米国一辺倒ではない)。今や米国は、核超大国として世界に君臨する存在ではなく、核大国ではあっても政治・経済大国ではない。世界は、米国一極主義体制から多極化へ向かって確実に歩んでいるのが現実の姿である(日本の政治家は日米関係しか見ない)。

(3)ロシア・中国の同調と協力が不可欠

 ロシアは、今や、資源大国として経済大国になっているが、それに伴いロシア大国意識が再現している。米国が、ロシア・中国に対する軍事的圧力を弱め、米ロ中での共存・共栄・協力関係を強める道を歩むことが求められている。その関係を通してロシアの軍事大国化意識を転換させ得るのではなかろうか。
 中国は、政治体制を維持したまま「市場経済体制(資本主義経済)」を導入した。そのため経済は急速に発展したが(消費経済の拡大)、その影で格差が急激に拡大している(消費レベルは低くとも平等に安心して暮らせた社会ではなくなった。それに伴って犯罪も増加した)。国内経済の需要を充足し国際競争に打ち勝つために“国家戦略”として“資源獲得”への動きを世界各地で強めている。国際的にも資源獲得競争が強まっており、国際社会が歯止めをかけないと、21世紀の戦争の要因ともなる。

 私たちが“東北アジア情報センター”を設立し活動をはじめた動機は(06年4月)、日本の平和と安定、市民生活の維持向上のためには「東北アジアブロック」が共同の経済体制を構築し経済的安定の上に政治的安定をはかり「共存・共栄・協力(不介入・不可侵・不干渉の3原則)」を原則にした共通の安全保障体制を築くことが必要不可欠と考えたからである(脱亜入欧から「入亜協力欧米」への道へ転換)。私たちに求められているのは、日本の政治の基本と思考が防衛戦略構想の基本にある「ロシア・中国に対する敵視・警戒思考と北朝鮮敵視思想」からの脱却である。

(4)中東情勢の安定が課題(米国の責任大)

 世界各地には紛争状態が続いている地域が多く存在するが、核兵器廃絶と武力廃棄・戦争根絶に向けて歩むためにあえて優先順位をつけるとすれば“中東地域の安定”が不可欠である(印パ対立、東南アジア情勢、アフリカの状況など多くの課題があるが、国連を軸として政治・経済大国間の協調・協力が必要である)。とりわけ、イスラエルによる中東イスラム圏への軍事的圧力・脅威を取り除くことが必要条件である。そのためには、米国が一貫して採り続けてきた“イスラエル中心主義的な政策”を転換する必要がある(もちろんイスラエルの安全を保障しなければならないが、イスラエルの譲歩が必要)。
 世界を安定させるためには、国連を基盤として「共存・共栄・協力」路線を基本とする国際的なルールを確立しなければならない。そのためには、「自由・平等・博愛主義(友愛ではない)」を国際社会共通の哲学とすることを提案する。いずれにしても、武力による「国益の追求」が抑圧を生み抑圧に抵抗するための手段としてテロ行為が起きているのであるから、抑圧を排するためには自由・平等・博愛主義を原則とする政治哲学を定着させる国際輿論が強くならねばならない(ノーベル平和賞の本来の姿では)。

Ⅱ オバマ大統領を広島へ呼ぶ意味

 オバマ大統領が広島に来て、資料館を参観し原爆慰霊碑に献花しそれを通して被爆の悲惨な実態を知ってもらい、核兵器廃絶へと向かって欲しい-と考え願うことは善意の発想であり素朴な感情である(感情論)。そのこと自体は否定すべきものではないが、国際政治は善意と情緒だけでは動かない(性善説と性悪説が複雑に絡み合っているのが現実)。また、それだけでは、日本の責任は何処へ消えたのか?と疑問も生じる。

1. 米国大統領が広島へ来ることは何を意味するか

 米国の現職大統領が広島を訪れることは原爆を投下した国の元首が慰霊碑に献花し反省の意を表明することになる。いまだに、米国内の圧倒的多数意見は「原爆投下は日本とアジアの人々数百万人の命を救ったもので正当であった」という歴史観である。大統領が慰霊碑に参拝・献花し原爆犠牲者を追悼する行為は、多数の米国民からすれば正当化してきた歴史観を覆し“米国の過去の過ち”を認めなければならない(だからこそ意義がある)。保守勢力とりわけ右派勢力によるオバマ大統領に対する攻撃(暴力的行為も)強まるだろう(これは、日本でも同様に首相が中国の南京大虐殺記念館を訪れ反省とお詫び、償いをしたらどうなるかである。私は、中国やアジアの人々と和解するためには避けて通れない道であり、鳩山首相は実行すべきと考えるが)。オバマ大統領自らも、米国民の多くも“原爆投下正当化論に立つ歴史認識”を転換する覚悟が必要となる。米国民(国内世論)がどう動くかが問われている。

2. 呼ぶ側も覚悟が必要

 日本は自らの加害責任を果たすことが必要不可欠である。
 米国現職大統領が広島を訪問するには、歴史観の転換という覚悟が必要であるが、仮に覚悟もなしに訪問が実現したとすればそれは形式的な訪問であり途中下車でしかありえず、さほど重要な意味は持たない。
 一方で、招く側は覚悟ができているのであろうか?米国大統領に覚悟を求める限り、日本政府、政治家、広島市民(国民)も覚悟しなければならない。日本にとっての覚悟は、「日本自らが犯した過ちの責任(加害責任)を果たす」ことである。その覚悟もなしに簡単に招く声を上げるだけでは、アジアの人々から疑問を投げかけられ批判を浴びるだろう。
 政治家の多くは「村山首相談話」を踏襲すると発言するが、あれは“談話”であって(ないよりはましだが)、日本の首相自らが例えば南京なり重慶を訪れて日本軍による虐殺行為に対して反省と謝罪の行為を行って「和解」を求めてはいないのである。

 戦後64年を経過した今日なお、日本の戦争責任に基づく「戦後処理」は終わっていないのである。中国人・朝鮮人に対する強制連行・強制労働、「軍隊慰安婦」問題、捕虜に対する強制労働(国際法違反)、シベリア抑留問題、空襲被害に対する国家補償などなどである。生存している被害者たちの声は(私も過去直接聞いたが)“実際にどのような事実があったのか、行われたのか、日本人が事実を知り心に刻んで欲しい。また、きちんとした謝罪と償いをして欲しい・・”との強い思いである。生存している被害者たちが裁判で訴えても、国内法・国際法を振りかざして「請求棄却」と「すでに時効」という壁で撥ね返されている(一部は企業との和解もあるが、また、被爆者のケースでは最高裁まで争ったケースもあるが、国としての責任はとっていない)。
 政治家は、戦後処理問題解決をしてこなかったばかりか、歴史的事実を歪曲し「侵略と戦争を正当化する発言」まで繰り返してきた(反日感情の源泉となっている)。
 鳩山民主党基軸政権が、かつての植民地統治政策・侵略戦争を本当に反省するのであれば、反省を具体的な形にすることが必要である(談話を越えて)。その方法として、「植民地統治と侵略戦争の反省とお詫び」を国会決議(不戦の誓い)とし、「戦争被害者補償法(国籍条項なし)」を制定することである。
 そのような覚悟を固めた上で、国際社会とりわけアジアの人々へ「和解」を訴えるべきではないだろうか。そうしてこそ、真に、国際社会から尊敬と信頼を得ることができ、国際社会への発言力も飛躍的に高まり重いものとなる。
 オバマ大統領を広島に呼ぶことは、呼ぶ側にも「覚悟」が要るということである。この問題が含んでいる本質は、「招かれる側、招く側にも、過去の過ちを認め反省する覚悟」があるかを、国際社会から問われている-ということである。

<むすび>

 核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)広島会合が開催された。多くの人々が「広島会議」に期待し、市民団体も様々な催しを行ったが、最終報告書・概要の内容は期待を裏切るものであった。この時期に開催された広島会議(核軍縮の高揚、NPT再検討会議の6ヶ月前)で、「核先制不使用宣言と消極的安全保障(非核国に対する不使用宣言)」を提起できなかった事はICNNDの限界を露呈したものであり、有効性を疑わせるものである。また、被爆地で開催したからといって期待通りの結論が出るものではない、ということを示したものである。これでは、ICNNDが国際世論を作り出すことはできない。
 オバマ大統領発言に寄りかかった核廃絶運動では、米国内の状況を見る限り障壁の大きさを感じさせられる。
「被害と加害をセット」にした訴えと行動があってこそ、アジアの人々、米国民に「真の和解」を提起することが可能となる。
広島市民はもとより日本国民が歴史的事実を認識し和解に向かって行動するとき、オバマ大統領を自信を持って広島に招くことができる。日本の抱えている諸問題を解決する道でもある。
(2009年10月18日 東北アジア情報センター運営委員)
                      



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「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
by hiroseto2004 | 2009-11-12 19:12 | 読者投稿 | Trackback
関係各位

 核兵器廃絶に向けた日頃のご努力に敬意を表します。

 政権が交代し、新政権が核兵器廃絶に前向きな姿勢表明をしていることが、国内外で注目されています。私たちは、この好機をとらえ、日本政府の核政策を真に核廃絶へ貢献する方向へと押し上げていく必要があると思います。

 とりわけ、この間日豪イニシアティブの「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)の議論のなかで、日本側の委員らが外務官僚の意向を受けて、核兵器の役割の縮小に抵抗するなど、核軍縮に対する障害となるような働きをしていることが明らかになってきました。私たちは、ICNND日本NGO・市民連絡会の活動を通じて、この問題がいかに深刻であるかを実感し、日本政府の政策転換を今こそ力強く求めていくべきだと改めて感じました。

 鳩山首相や岡田外相がこの間表明してきた核軍縮に関する前向きな発言を、単に言葉に終わらせず、日本の核政策の転換へつなげ、核廃絶への確かな前進を実現しなければならないと思います。

 そのような考えから、ICNND日本NGO連絡会に参加している団体や個人が中心となって、別添の通り、日本政府にあてた「核兵器廃絶への真のリーダーシップを求める要請」という文書を作成しました。新政権が発足してから一カ月のタイミングで、幅広い日本の市民社会の声を集めたものとして、この要請書を鳩山首相と岡田外相に届けたいと思います。

 急なお願いで恐縮ですが、以下の締め切り日までに、「個人名(団体名)」という形式で、皆さまの団体としてまたは個人としてのご署名をいただきたく、お願いするしだいです。

【第一次締切 10月13日(火)】

 以下のメールアドレス(専用)まで、本メール末尾の「返信欄」に記載のうえ、
メール送信をお願いします。
 sign.haizetsu@gmail.com

2009年10月7日

岡本三夫(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 共同代表)
河合護郎(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 共同代表)
高草木博(原水爆禁止日本協議会 事務局長)
田中熙巳(日本原水爆被害者団体協議会 事務局長)
土山秀夫(核兵器廃絶ナガサキ市民会議 代表)
朝長万左男(核兵器廃絶ナガサキ市民会議)
内藤雅義(核兵器廃絶市民連絡会 連絡責任者)
伴英幸(原子力資料情報室 共同代表)
藤本泰成(原水爆禁止日本国民会議 事務局長)
森瀧春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 共同代表)

*******
返信先メールアドレス(専用)
 sign.haizetsu@gmail.com

------------------------------------------------------------------
  返信欄

  「核兵器廃絶への真のリーダーシップを求める要請」に賛同します

  「個人名(団体名<できれば肩書きも>)」の表記でお願いします。

  日本語              (            )

  ふりがな             (            )

  英語               (            )

  連絡先 住所 〒

      TEL
FAX
Email

   ※連絡先は本署名にかかわる連絡のみ利用します。

  備考欄(お名前の公表が不可の場合はそのようにお書きください)

------------------------------------------------------------------

<<< 以下、要請の本文。添付ファイル(PDF)も同文です >>>

=================================================
2009年10月
内閣総理大臣 鳩山由紀夫様
外務大臣 岡田克也様


核兵器廃絶への真のリーダーシップを求める要請


 私たちは、日本の新政権が核兵器廃絶に向けて「国際社会の先頭に立つ」といち早く表明されたことを、心より歓迎します。そして、鳩山首相が9月24日の国連総会演説で、核軍縮・核不拡散を日本の5つの優先課題の一つとして掲げられたこと、さらに、同日の国連安保理演説で「核軍拡の連鎖を断ち切る」ことが「被爆国としての道義的責任」であると述べられたことを高く評価します。
 オバマ米大統領が「核兵器のない世界」に向けて行動すると宣言したことで、核廃絶に向けた世界的な潮流は、かつてないほどに勢いを増しています。私たちは、日本政府が、こうした世界的な流れを加速させ、一日も早い核兵器の廃絶が実現するような具体的な行動をとることを求めます。
 鳩山首相が国連安保理会合で表明された一連の核不拡散・核軍縮措置は、いずれも重要です。すなわち、①核保有国による軍縮、②包括的核実験禁止条約(CTBT)とカットオフ条約(FMCT)、③国際原子力機関(IAEA)などの支援、④北朝鮮・イランを含む核拡散への対応、⑤不拡散・核セキュリティの強化は、いずれも重要な緊急課題であり、私たちは政府がこれらの行動をとることを支持します。
 しかし、いくつかの分野において、従来の日本政府の政策は国際的な核軍縮や不拡散への足かせになってきたという側面があります。日本が世界で真のリーダーシップをとるためには、これらの政策を見直し、転換させる必要があります。私たちは、日本政府が2010年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議までに、以下の5点の具体的行動をとることを要請します。


1.先制不使用に対する支持宣言

 日本政府が事務局を担う「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)では、核の先制不使用など核兵器の役割の限定を勧告しようとすることに対し日本の委員が抵抗していると報道されています。アメリカの専門家たちは、このような日本の姿勢がオバマ政権による核軍縮にとっての障害となっていると警告しています。
 日本政府は、日本が核の「先制不使用」政策を支持するという公式な宣言を一刻も早く発し、アメリカに先制不使用を求めるべきです。そのことによって、日本政府が核軍縮の障害になっているという主張を退け、核保有国の軍縮プロセスを加速させることができます。
 核抑止論に固執し続けることは、「核なき世界」を実現する道と真っ向から矛盾するものです。日本は、「核によらない安全保障」への道を歩み始めるべきです。

2.核兵器禁止条約への支持表明

 日本政府はこれまで、国連総会決議などで、究極的な目標としての核兵器廃絶を語ってきましたが、核兵器禁止条約という提案に対しては不支持の立場をとってきました。しかし、段階的な核不拡散・核軍縮措置と並行して、最終到達点を明確にした包括的アプローチがなければ、核兵器廃絶は実現しません。潘基文国連事務総長は、
昨年「核兵器禁止条約などの法的枠組みを検討すべき」とする行動提案を発表しました。
 日本政府は、国連総会やNPT再検討会議の場で、潘基文提案への支持を表明し、核兵器禁止条約の交渉開始を支持すべきです。

3.北東アジア非核兵器地帯への政治宣言

 朝鮮半島の核問題を平和的に解決しつつ、北東アジアにおいて「核によらない安全保障」の枠組みを確立するために、北東アジア非核兵器地帯の設置をめざすべきです。日本政府はこれまで、北東アジア非核兵器地帯構想は「時期尚早」としてきました。日本政府は発想を転換し、北東アジア非核兵器地帯をめざすという政治宣言を発し、6者協議等を活用して、その目標に向けた交渉の道をさぐるべきです。
 このような地域安全保障メカニズムの構築は、日本がその平和憲法を生かしつつ、「核の傘」から脱却する方策です。それはまた、新政権が掲げる「東アジア共同体」形成に対しても重要な貢献をします。

4.ミサイル防衛計画の見直し

 米オバマ政権が東欧におけるミサイル防衛計画を中止したことは、米ロの核軍縮交渉に前向きな影響をもたらしています。
 北東アジアにおいて核拡散と軍拡競争のスパイラルを回避するためには、日本が現在アメリカとすすめているミサイル防衛計画を根本的に見直す必要があります。この問題について、日本政府はアメリカ、中国を含む関係国と協議し、北東アジアにおけるミサイルの脅威をなくすための協調的措置について検討を開始すべきです。

5.核燃料サイクルの見直し

 近年の核拡散の動きのなか、核兵器に転用可能な技術や物質への規制強化の動きが国際的に強まっています。とりわけ高濃縮ウランとプルトニウムをいかに規制するかという問題は、緊急の課題です。
 日本が非核保有国で唯一、使用済み燃料の再処理によるプルトニウム生産を準備していることに対しては、世界からも懸念の声があがっています。日本が核不拡散に真に貢献するためには、自らの核燃料サイクル政策を見直すことが求められます。

 このたびの政権交代は、「政治主導」というかけ声の下で行われました。政策決定は、一部官僚の思惑によってではなく、市民社会に開かれた討論をへて、国民の信託をえた政治家によってなされなければなりません。首相と外相がまさに「政治主導」のリーダーシップを発揮され、核兵器廃絶への真の舵取りをしていただけることを、切に願います。

署名者
岡本三夫(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 共同代表)
河合護郎(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 共同代表)
高草木博(原水爆禁止日本協議会 事務局長)
田中熙巳(日本原水爆被害者団体協議会 事務局長)
土山秀夫(核兵器廃絶ナガサキ市民会議 代表)
朝長万左男(核兵器廃絶ナガサキ市民会議)
内藤雅義(核兵器廃絶市民連絡会 連絡責任者)
伴英幸(原子力資料情報室 共同代表)
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「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
by hiroseto2004 | 2009-10-08 20:11 | 反核・平和 | Trackback
2009年6月10日記者会見「オバマジョリティー・キャンペーンについて」 
【オバマジョリティー・キャンペーンについて】

http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1244613195105/index.html


広島市の秋葉市長は10日の記者会見で、"Obama"と"majority"をくっつけた造語「オバマジョリティー」を発表。核廃絶を表明したオバマ大統領を支持する人が多数派だという意味で、今後「オバマジョリティー・キャンペーン」を進める、ということです。

もちろん、オバマ大統領に対しては、アメリカ大統領として根源的に抱えている限界を指摘する声、とくにアフガンへの増派などを批判する声もあります。それはそうでしょう。

しかし一方で、軍事費ダントツ一位のアメリカ大統領がかなり鍵を握っていることも確かです。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200906110077.html


米首都の博物館内で発砲 白人至上主義者の犯行か '09/6/11

 【ワシントン10日共同】米首都ワシントン中心部にあるホロコースト博物館内で10日午後(日本時間11日未明)、銃を持った男が警備員に向けて発砲、警備員は重傷を負った。男は別の警備員に撃たれ負傷、2人は病院に搬送された。

 米メディアによると、男はメリーランド州のジェームズ・フォンブラン容疑者(88)で、白人至上主義の運動家という。

 ワシントン当局によると、博物館の入り口を入ってすぐに発砲した。単独犯とみられている。博物館は当時、観光客でにぎわっていた。入館時には金属探知機による検査もある。

 現場はホワイトハウスから南へ約1・2キロと至近距離で、多くの警官が付近を封鎖するなど騒然となった。


こんな事件もおきています。

 そうはいっても、人種差別はある。そういう中で、オバマが暗殺されるのではないか、という懸念を持っておられる方もおられるとおもいます。やはり、オバマ暗殺ということは阻止しなければならない。そういう意味でも、オバマを評価すべき部分は評価する、という方向で、国際的な世論を盛り上げていかないといけないと思います。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200906110016.html

オバマジョリティー展開へ '09/6/11

--------------------------------------------------------------------------------

 広島市の秋葉忠利市長は10日の記者会見で、核兵器のない世界の実現に向けた国際世論を盛り上げる「オバマジョリティー・キャンペーン」を始めると発表した。ロゴ入りTシャツをつくるなどし、核兵器廃絶の訴えを被爆地から全世界へと発信していく。

 「オバマジョリティー」は、核兵器の廃絶努力を明言したオバマ米大統領を世界の大多数(マジョリティー)が支持している―との意味を持たせた造語。秋葉市長が5月、核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会での演説で使った。

 キャンペーンはこの言葉を広く周知することで、核兵器廃絶に向けた世論のうねりをつくり出す。具体的には、ウェブサイトの開設▽市の広報紙などへの記事掲載▽ロゴ入りTシャツや記念品、PRソングの制作▽国際会議でのアピール―などを計画。市長の記者会見の背景パネルにロゴをあしらったり、観光客の記念撮影用にオバマ大統領の等身大パネルを用意したりするアイデアもある。



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森田健作千葉県知事に辞職を求める署名呼びかけ 森田健作氏を告発する会

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by hiroseto2004 | 2009-06-11 08:14 | 広島市政(広島市議会) | Trackback(1)
核兵器は廃絶できるか?(Ⅲ)
―米国の基本戦略転換が必要だ―

                                 横原 由紀夫

Ⅰ はじめに―オバマ大統領演説の評価

 今年4月5日、オバマ米大統領がプラハで演説し、米国の大統領として初めて「核兵器のない世界」を究極の目標とする包括構想を発表した。この演説が伝わると日本国内では、政治家・メディア・知識人・被爆者の多くが感激し賛同の声が溢れた。とりわけ、演説の中にある<核を持つ国として、そして核兵器を使用したことがある唯一の国として、米国には道義的な責任がある、米国は核兵器なき世界の平和と安全保障を追求することを、今日、確信を持って宣言する。>との発言に感動し、広島招聘の声が沸き起こった。
 だが喜んでいるだけではなく、問題点も指摘しなければならない。私が考える問題点は、(1)広島・長崎に対する“大量殺戮”に対しての謝罪はなく、人道的立場からの反省がなかったこと(被爆者は今なお、精神的・肉体的・生活的な三重苦を背負っている)、(2)核兵器の使用もしくは威嚇は「国際法に違反する」との認識が見られないこと、(3)「核抑止論」という基本的立場を放棄していないこと(テロ組織が核兵器を保有し使用することへの危機感と核拡散という現実的危機に基づいての発言であり、そのような状況を作り出した米国の政策に対する自省がない)-等々である。なお、私としては、オバマ演説で「核エネルギー(原子力発電と関係核施設)をすべての国が利用できるというNPTの土台は健全だ・・」と評価したことについては強く反対する。原子力発電を軸とする「核施設」が存在する限り、意志を持てばいつでも核兵器を製造することが可能であり、真に核兵器を廃絶する条件整備にならないからである。また、イランの核とミサイルに対する脅威を強調し、「ミサイル防衛(MD)」を進めると明言していることに対しても反対である(イスラエルへの配慮では・・)。
 しかしいずれにしても、米国大統領として核軍縮に向けて率先して行動することを宣言したことは評価したい。オバマ演説が現実に実行され、指摘した問題点が克服されるためには、被爆国日本政府、広島・長崎の市民、国際運動団体、マスメディアなどの役割と責任が大きいことを自覚し行動することが求められている(情緒論では廃絶できない)。

Ⅱ 核兵器廃絶への障壁と課題

 米ソ冷戦構造が崩壊したにも関わらず、核兵器が拡散し非政府組織の武力行動が拡大した大きな要因は、米国の一極主義・単独行動主義・予防戦争論(先制攻撃論)など米国が採ってきた基本戦略にある(この点を米国は反省すべきであるし、米国の戦略に追従するしかしてこなかった日本政治とそれを許してきた私たちも深く反省しなければならない)。
1 核抑止論の障壁を超えることが重要!

 核抑止論とは、相互が核兵器によって対峙することで戦争を抑止するという「相互確証破壊」を基本とする恐怖の均衡論である。この出発点は、広島・長崎に対する原爆投下(想像を絶する惨状とそれをもたらした原爆の威力)によっている。
 核抑止論を超えるためには、広島・長崎に対する無差別大量虐殺を犯罪として追及する力を強めること、生存被爆者の三重苦を訴え続けることが基礎であることは論を待たない。同時に、核兵器開発競争と核エネルギーの利用によって発生した“核被害の実情(世界の核被害者の存在と実態)”を国際社会が認識しなければならない。また、核抑止論が戦争を抑止したのではなく(世界規模の戦争は起きなかったが)、むしろ冷戦構造崩壊以降“地域紛争”は多発し核兵器拡散の事態が強まっていることを指摘しなければならない。核兵器技術の発展によって“核兵器は使えない兵器(戦略核兵器は使えないが)”ではなくなっているとの認識を持たねばならない。「恐怖の均衡」による平和論ではなく、戦争を廃絶するためにあらゆる努力を傾注し行動することを国際社会の原則として承認しなければならない(国連憲章の遵守に基づく国際秩序の形成)。「恐怖の均衡論」から脱却し、「共存・共栄・協力」を国際社会の基本とすることである。
 そのためには、米国の採ってきた「基本戦略」の放棄が求められる。米国の基本戦略は、「ロシア、中国の封じ込め」であり、そのために同盟国を形成(例えば、日米安保条約など)し、世界各国・地域に軍事基地を設置し米軍を配置してきた。そして、もう一つの「国際戦略(米国益の追求)」は、① 資源(エネルギー資源を含めて)の米国集中、② 資本の米国集中(ドルを基軸通貨とする経済支配)、③ 食糧による世界市場制覇・・・である(これが現在の世界同時不況の要因である)。これらの基本戦略に基づいて実行されてきた米国一極主義、単独行動主義が国際社会を混乱に陥れた原因である(その結果、世界は多極化へと向かっている)。
 核抑止論を超えた「戦争抑止論(武力対立、軍事力による問題解決:戦争は政治の延長である、という誤った定義を放棄した抑止論)」を国際輿論として起こす運動を基本としなければならない。

2 軍産複合体の力を侮ってはならない!

 軍産複合体の力は、米ソ冷戦構造崩壊によって衰えると考えられたが、それは一時の事であり、その力は余りに強大となっている(米国の大統領は、反イスラエルと反軍産複合体政策を実行すると非常に危険な状況に晒される可能性がある)。
 この軍産複合体の力を削ぐためには、① 戦争廃絶の潮流を確かなものとする国際輿論の台頭、② 軍事力拡大を抑止するための国際的規制の強化(軍事への資源の利用、資本の投下、科学技術の転用、税制面などの規制を設ける)、③ 政治家、官僚、企業家、学者、技術者などに対する倫理的責任の追及、などが具体的行動として求められる。
3 核兵器は政治大国のシンボルか?

 冷戦崩壊とその後の国際情勢(とりわけ多極化への流れ)からすれば、英国の核兵器(SLBM:潜水艦装備)、仏の核兵器は軍事的には無用である。また、北朝鮮の核兵器(保有量など実態は不明)も軍事的には無意味であり強盛大国の象徴である。国家間対立を優位にするための核兵器は、イスラエル、インド・パキスタンの保有・開発である(イランは製造していない:イスラエルとの関係によっては製造の可能性も)。
 イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮に対しては、当面、NPT(核不拡散条約)への加盟を国際社会が強く迫り、対立緩和と平和協定締結(共存・共栄の担保)に向けて国際協力体制を構築することが緊急の課題である。注目すべき出来事は、米国政府の変化である。米国は、イスラエルの核については無言を通してきた。しかし、5月5日、NYで開かれたNPT締結国(189カ国)の年次総会で、米国務次官補が「NPTに入らずに核兵器を開発しているインド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルは、NPTに加盟すべきだ・・・」と初めてイスラエルの核兵器を問題にする主張を行ったことである。これは、注目に値する発言だ(米国の対イスラエル政策の変更か)。
 英国政府関係者からは、核兵器放棄の意見も出ているが、仏大統領はオバマ演説をうけて“仏は核兵器を放棄する意志はない”と強調した。これらの動きは、核兵器の保有が抑止力だけでなく国際政治の場における「政治大国」意識の現われであるといえる。このような、核兵器保有は政治大国としてのシンボル意識を国際社会が否定することも求められている。

4 米国内における世論が鍵を!

 オバマ大統領の宣言を実行あるものとし、核兵器廃絶を確かなものとするためには、米国世論が重要である(鍵を握っているのは、世論、議会、軍部・軍産複合体勢力の動向)。
 米国民が大統領演説を支持しているのかどうかが重要である。議会、軍部・軍産複合体勢力は核抑止論を不可欠としているのが現状である。オバマ大統領を支える国際世論も重要であるが、基本的には国内世論が鍵を握っている。
 米国民に対して“核兵器廃絶”をどれだけ強く説得力を持って訴えることが出来るかが、日本の反核平和運動、被爆地市民に求められている課題である(核兵器禁止条約実現の基盤形成)。
 オバマ大統領が広島を訪問すれば“核兵器廃絶”が可能になるのではなく、米国民多数の支持がオバマ宣言の背景にあることが核軍縮を進展させるのである(廃絶までは簡単にはいかないが)。

Ⅲ 日本の平和運動に求められる課題

1 オバマ大統領宣言に過大に依拠せず!

 オバマ大統領の包括構想は、評価できる側面と批判しなければならない側面がある。
 反核平和運動がオバマ宣言にのみ依拠して“核兵器廃絶”をスローガン的に叫ぶことでは、事態は動かない(米ロ間の核軍縮は進展しても)と考える。これでは、従来の反核運動がたどってきた道を繰り返すだけである(国連軍縮特別総会時には、国際的に一億を越える反核署名が提出されたが)。オバマ演説に依拠した運動は情緒論であり、幻想となる。
 核兵器は余りに強大な破壊力を持つが故に、軍事力による平和を志向する人々は「核抑止力論」を簡単に放棄することはないし、戦略的兵器であるが故に簡単に手放さない(対人地雷やクラスター弾、劣化ウラン弾などは戦術的兵器であるから国際世論によって廃棄させることは可能だが。但し、地雷は条約の趣旨に違反しないものとして“自爆時限装置付き地雷”を開発している。クラスター弾も同様に・・)。
 課題は、“戦争を原則違法とした国連憲章”を基礎に国際秩序を形成する運動の実践である。戦争否定と非人道的大量殺戮兵器禁止の流れを作り出すためにあらゆる行動が多数のグループによって持続できるかどうかが、問われていることである。その運動の基盤には、広島・長崎への原爆投下国際法違反追及と核兵器使用の非人道性の追及がなければならない。日本の反核平和運動がこの点にこだわり続けることが出来るのかが問われている。
 オバマ大統領のプラハ演説は、“核兵器の違法性、大量殺戮に対する償いから出たものではなく”、米国の抱える危機感からでたものであることを認識しなければならない(対テロ戦争という米国の作り出した危機的状況か発したものである。“対テロ戦争”という指標は放棄すべきである)。情緒主義運動は幻想を振りまく結果を招くことになる危険性が大。

2 日本政府の核政策転換を!

 日本政府が進めてきた(現在も)米国追従政策を転換させなければ、日本の訴えは説得力が弱いことを認識しなければならない。以前から指摘されてきた―米国の核の傘に依存しながら核兵器廃絶を叫ぶ矛盾を、反核平和運動が転換できるかどうかである。
 また、日本政府(政・官・財・学一体で)が推進している「高速増殖炉建設・稼動、核燃料サイクル施設建設・稼動、原子力発電増設計画」などの核政策は、いつでも(政治的意志と国民の支持があれば)核兵器を製造できる能力を保持することであり、この問題点を認識し政策転換を求める運動を強めなければならない。政府は、日本はNPTに加盟しておりIAEA(国際原子力機関)の査察も受けており、よい国であるから問題はないと主張するが、他国はそうは見ていないのである。核兵器製造の意志がまったくないのであれば、前記のような“核施設”はまったく不要である。また、昨今は、「人為的CO2地球温暖化論正義」に基づいて“CO2を出さない原発こそが地球を救う”とのキャンペーンが展開され、核エネルギー利用促進があたかも地球に優しい政策として進められている。筆者は、当初から、人為的CO2地球温暖化論に対しては異論を出してきた。温暖化の主要な要因は太陽活動を主要因とした複合的な要因が絡まっていること。また、最初に、地球温暖化論を唱えた米国の学者は「原発推進論」であった(この点はゴア元副大統領も同じ)。人為的CO2地球温暖化脅威論は、今や正義の旗印になり、政治的・経済的に利用され儲けの手段になっている。膨大な資源と資本を費消し、膨大な核廃棄物を生み出す原発が、「地球と人類に優しいはずがない」ことは良く考えれば分かるはずである。
 日本の反核平和運動は、まず、日本政府の“核政策”を転換させる力を持たなければならない、と考える。

3 スローガン運動では核廃絶は不可!

 日本の反核平和運動は、広島・長崎の被爆体験を基盤に、ビキニ水爆実験の被災をきっかけとして“国民的大衆運動”として進んできた。しかし、運動に対する政党の政治的介入によって分裂し(筆者は必然的でもあったと考えるが)、その後は停滞してきた。
 その主要な原因は、運動が① 行事主義的になっていること(時期が来れば組織動員をかけて)、② スローガン主義であること(スローガンを掲げていれば運動という錯覚を生み出す)―が問題であると考える。私自身その運動に関わってきたので、それらをすべて否定しているものではない。ただ、運動形態がそのようになると―① 運動が形式的になり、主体的に・自発的に行動する個が育たない、② “やらないよりやった方がよい”との思いが強くなり自己満足に陥り易い、③ 組織と関わりのない市民は参加し難いし離れていく、④ マンネリ化し、組織中心になると権威主義が生まれ、“運動内民主主義”が機能しにくくなり異論・批判を排除し“仲良しグループ的”、“情緒主義的”になり易い・・などなどの問題点が存在する。
 価値観や政治的意識の異なった人々が(非組織の民衆が大切)、小さくとも様々なグループで活動・行動しそれらが既成組織とも対等・平等な関係でつながりあう運動形態が必要である。そのようなグループが国民の半数を越えあるとき一斉に行動することで成果が生まれる。政党や既成組織が一定の政治性、価値観の共通性(同質を求めるのが問題)を求めて運動・組織をリードすると、必然的に(多元性に基づく)分裂が生じ運動エネルギーの分散化をもたらすことになる。
 
 言うはやすし・・と批判されることを承知しているが、“小グループの活動を大切にし、街頭で市民に直接訴える活動を大切にし、継続を大切にして”、運動の改革を求めていきたい。その積み重ねによってこそ、行事主義・イベント主義・スローガン主義・情緒主義の持つ欠陥を克服したいと考える。可能な限り早く核に頼らない社会を達成するために。
(2009年5月8日  運営委員)




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とくらたかこのブログ
by hiroseto2004 | 2009-05-16 22:06 | 読者投稿 | Trackback
秋葉市長は、オバマ米大統領の演説についての記者会見を昨日、行ないました。

2009年4月6日記者会見「オバマ米大統領の演説について」 
http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1239009344958/index.html


http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1239006223427/index.html


核兵器開発に転用可能な精密機械の不正輸出に関してホーコスへの要請文 (2009.3.30)

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核兵器開発への転用が可能な精密機械を外為法に定められた許可を得ずに不正に輸出したとして、貴社の社員が起訴された事件で、貴社が起訴事実を認める文書を報道機関に送付したとの報に接した。

ヒロシマは、64年前の被爆体験を原点に、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続けてきた。しかし、今なお地球上には大量の核兵器が存在しており、世界は核兵器の新たな拡散と使用の危機に瀕している。このため、本市は世界の134か国・地域から2777都市が加盟している平和市長会議と共に「2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」に取り組んでおり、都市を核攻撃の目標にしないよう求める「CANTプロジェクト」など様々な活動を展開している。その一環として、昨年4月には、2020年までの核兵器廃絶に向けて各国政府等が遵守すべきプロセスなどを定めた「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を発表し、その議定書が2010年のNPT再検討会議で採択されることを目指している。

そうした中、核兵器廃絶の国際世論醸成に向け主導的な役割を果すべき唯一の被爆国、しかも被爆という未曾有の惨事を体験した広島県に本社を置く企業が、核兵器開発に資する機器を不正に輸出していたことに、被爆地ヒロシマの市長として強い憤りを覚える。

被爆者及び広島市民を代表して抗議するとともに、貴社が、被爆国の企業としての国際的責任を自覚し、二度とこうした事件を起こすことがないよう強く要請する。


平成21年(2009年)3月30日

広島市長 秋 葉 忠 利

ホーコス株式会社
代表取締役社長 菅田雅夫 様


http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1239007999224/index.html

オバマ米大統領とメドベージェフ露大統領が核軍縮に向けた共同声明を発表したことに対する市長コメント(2009.4.2)

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本日、オバマ米大統領とメドベージェフ露大統領が、第一次戦略兵器削減条約 (START1)に代わる新たな核軍縮条約について7月までの合意を目指すこと、及び米国がCTBT批准に取り組むことなどを内容とする共同声明を発表したとの報に接した。

北朝鮮やイランの核開発問題など核を巡る世界情勢が深刻さを増す中で、世界の核兵器の95%以上を保有する二大核超大国が核軍縮に積極的に取り組むとの声明を発表したことは大変意義深い。先日の報道では、ブラウン英首相も、米露の軍縮交渉に併せて核軍縮に取り組む用意があると明らかにしている。 まさに今、世界は核廃絶に向けて歴史的な転換点に差し掛かっている。

今後も、両大統領には、核廃絶に向けた流れを確実なものとするため、更なるリーダーシップを発揮してもらいたい。本市としても、2,817の加盟都市を擁する平和市長会議とともに、2020年までの核兵器廃絶の道筋を示す「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の2010年のNPT再検討会議での採択に向けた取組に全力を傾けていく。

平成21年(2009年)4月2日

広島市長 秋 葉 忠 利






北朝鮮の飛翔体発射に対する市長コメント(2009.4.5)

http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1238992998292/index.html

本日、北朝鮮が飛翔体を発射したとの報に接した。

今回の行為は、これまで積み重ねられてきた6か国協議などの外交努力や、直前までの国際社会の自制の要求を無視したものであり、憤りを覚える。また、核兵器廃絶や北東アジアの緊張緩和を求める被爆地ヒロシマの願い、更には核廃絶に向けた世界的な流れに逆行するものである。

北朝鮮においては、地域の平和と安定を脅かすこうした行為を即刻取り止め、国際社会との対話と協調による外交努力を行うべきである。

平成21年(2009年)4月5日

広島市長 秋 葉 忠 利


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by hiroseto2004 | 2009-04-07 21:39 | 広島市政(広島市議会) | Trackback