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by hiroseto2004

タグ:防衛戦略研究会議報告書 ( 1 ) タグの人気記事

立法改憲を許してはならない!
―防衛戦略研究会議報告書を批判する―

                                横原 由紀夫

Ⅰ はじめに

 防衛戦略研究会議の報告書が、今年2月に発表された。防衛戦略会議は、防衛省防衛研究所を事務局として、大学教授など民間からの専門委員23名で構成されているが、日本経済新聞・朝日新聞からも幹部クラスが参加している。
 報告書の目指している方向は、改憲を視野に入れながら、その前に「立法改憲(安全保障戦略に必要な“法律”を整備し憲法の制約をはずす)」を行って、軍事力強化(日米一体化の下に)を果たそうというものである。

Ⅱ 報告書の目指しているもの

 「報告書」の内容を詳細に記述することは字数の制約がありできないので、問題点のみ箇条書きで述べる。
1 日米軍事同盟(世界の中の日米同盟)を基本としながら、「我が国の独自性を保つための体制構築(独自の「抑止力」を強める)」ことを強調している。
2 中国脅威論・北朝鮮脅威論を基本認識とし、海洋権益を重視した「安全保障戦略構築」を重視している(シー・レーン防衛を含めて)。
3 改憲を視野に入れながら、具体的な法整備によって“憲法及びその他の制約”から脱却することを打ち出している(筆者はこれを「立法改憲」と定義する)。「自衛隊海外派遣恒久法」、「海洋と宇宙の基本法制定」(海洋、宇宙の軍事利用への道を確保すること。宇宙基本法は、今国会で自・公・民の議員立法で提出され、十分な審議もしないまま、5月21日参院本会議で可決・成立)などの早期制定を提起している。
4 自衛隊は「専守防衛」組織から「国際責務」を果たすための組織へ体制変換が必要としている。さらに、先制攻撃能力確保を前提にした強化も意図している。<集団的自衛権行使>、<長距離大量輸送能力、野戦監視能力、特殊戦能力・・中略・・等の防衛力構築の必要性>、<米国に依存している=核抑止力のすべて、戦略的攻撃力や敵基地攻撃力、エネルギー輸送路の防護、中略、などの「米国依存体質の改善が求められる」>と提起している。
5 従来であれば「憲法遵守」の立場から検討できなかった事項(専守防衛に限定されていた)を具体的に挙げていることが特徴である。日米一体化の下で「安全保障戦略構築」のためには、タブーはないとの認識である。(註:より詳しくは、「東北アジア情報センター会報第7号」の拙稿を参照されたい)
Ⅲ 「報告書」の内容が実行されると―日本社会は!

 報告書の内容から見える方向は、「戦争に備えて、戦争の準備をしっかりとしておく国家体制作り」ということである。
1 日米軍事同盟を基本としながら、“我が国の独自性・・”を挙げているから、「日本核武装の具体化」が想定され、「日本版・軍産複合体制強化」の道を歩むことになる。

2 現憲法で禁じている「海外での武力行使」は当然の事となる(必要な法律整備)。

3 軍事予算の増額・拡大は必至であるから、国民生活を圧迫する事態が。
 日本の防衛費は現在約5兆円(1年間の税収入の約1割)である。報告書の内容を政策として実行すれば、防衛関連総経費は膨大なものとなり(約2倍にも)、当然の事として「社会保障費、教育関係費など」の国民生活関連経費は削減される(小さな政府論の徹底、防衛関連企業は大儲け)。社会福祉は「自己責任論」の強調によって一層社会的格差拡大・貧困化が進むことになる。

4 米国への追従がより強まる(米国の属州化)
 米国の世界戦略に一体化されるから、米国からの要請も強まり、日本の軍事的、経済的、人的負担は一層増大する。米国追随の政治は、外交の硬直化を生み「国際関係の悪化」などによって国民経済への悪影響は必至である(米国に追随していれば、原油価格・1バレル200ドルをむかえる。日本は米国と心中することになるが)。
 世界は、“米国一極体制”から多極化へ(親米、非米、反米のブロック化)向かっている。このような世界の動きを考察すると、「米国追随」を基本とする硬直した“政治、経済、文化、外交、軍事”では身動きが取れなくなる。

5 軍事中心の国家体制は
 軍事が国の中心となれば、必然的に「敵の存在」を必要とし“自由・平等・民主主義”を基礎とする市民的権利、社会的権利は制約を受け(市民の側からの自主規制、自粛も)、社会の保守化・右傾化が強まり“息苦しい市民生活”を強いられることになる(差別の拡大、平和的生存権の侵害が)。

Ⅳ 結び(提言:選ぶべき道は)
  -日本を攻めてくる国は存在しない-
1 日本の現状は、「食糧自給率39%、エネルギー自給率は4%」という実態である。食糧も資源も自立できない日本が「戦争に備え、戦争する」ことなどできないことは自明の理である(戦前はこの判断を誤った)。
 立場を変えて考えて見ることが重要である。中国と北朝鮮にとって共通している「脅威」は、米国の軍事力と対外政策であり、米日の軍事的包囲網である。この脅威を取り除けば「共存・共栄、平等互恵の関係」を築くことが可能である。そうすれば、“日本の安全性”は一層強固なものとなる(現憲法の路線実現の道)。

2 自公政治の終焉が求められている
 日本社会の問題点は(社会の荒廃要因)、①、格差拡大・貧困大国状況、②、食糧・資源の自給率低下(政策のツケ)、③、政府・各行政機関、政治家・官僚・企業などの無責任化進行(法遵守体制の崩壊、責任と義務の希薄化)、④、「利己主義、拝金主義」の横行(はきちがえた自由論など)・・・などである。このような社会状況を作り出した基盤は自民党の長期独裁政権継続の下で実施された政策と現在それを支えている公明党の責任大である。

3 基本は現憲法を大道とする道を歩むことである
(1)憲法を遵守し政治に活かすという“立憲主義”に徹した政治を築くこと(市民の責任も大)。“4月17日」、名古屋高裁で出された「判決=イラクへの航空自衛隊派遣は、イラク特措法に違反し憲法9条(第1項)にも違反する。憲法前文の<平和的生存権>は国家権力が奪うことの出来ない具体的な権利である」”との判決をすべての政治家・官僚が遵守すべきである。「立法・行政・司法」の3権分立を確立することが“民主主義システム”を揺るぎないものにする。“あんなもの関係ネエ~”とうそぶく政治家は政治に参画する資格はない。
(2)日本、中国、ロシア、韓国・北朝鮮が「東北アジア経済圏」を構築し、「資本、資源、科学・技術、人的資源などの共同利用・共同開発」に基づく“共存・共栄、平等互恵の関係”を築くことが重要である(集団的安全保障の基盤形成)。もちろん、真の共生・連帯の関係を築くためには「日本が率先して過去の清算」を行うこと、早急な「日朝国交正常化」が必要である(戦後責任を果たす。
(3)米日が“敵国”をつくり、先制攻撃を仕掛けない限り、日本を攻めてくる国は存在しない(最も危険な国は米国であり、追随する日本も同様に見られる)。

4 問われる反核平和運動(市民運動)
 今、日本を先頭に国際社会は、「人為的CO2地球温暖化論・正義」の主張が圧倒的世論となっている(批判が許されない。筆者は異論を持っているが省略する)。地球温暖化防止策として、今、世界中で“原発建設”が拡大している。私たちは、「核兵器廃絶」を叫び活動してきたが、原発を容認して核兵器を廃絶できるであろうか?否である。
 日本の核政策(再処理、高速増殖炉、ウラン濃縮など)は、核兵器製造に直結していることを認識しなければならない。自国の核政策を容認しておいて、他国に対して“核拡散”の脅威を訴えても“説得力”は持たない。地球温暖化脅威論が環境保全予防策として正しいとすれば、もっとも急ぐべきことは「自動車の半減政策実行他幾つかあるが」、原発を増やすことは逆行している(原発は「温排水」を大量に海へ、大量の放射能を環境に、建設過程と稼動でCO2も出す=最大の環境汚染源)。憲法問題も、今や、「立法改憲」を止めることが急ぐ課題である。政治を動かし得る市民運動の強化・拡大が求められる。
(2008年5月29日 第9条の会ヒロシマ世話人)

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by hiroseto2004 | 2008-05-31 17:26 | 読者投稿 | Trackback(3)